1990年
●第5回定期公演 90/01/19-20 金沢市文化ホール
指揮=岩城宏之

シューベルト/交響曲第8番ロ短調「未完成」
石井真木/能管独奏とオーケストラのための「風姿II」(赤尾三千子(能管))
一柳慧/室内協奏曲「始源」(丸田美樹(筝))
ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調op.67「運命」
(アンコール)ベートーヴェン/トルコ行進曲

★ベートーヴェンの作品と現代日本の作曲家の作品との組み合せというのは,岩城のプログラミングの柱となるものである。

●第6回定期公演 90/02/23-24 金沢市文化ホール
指揮=松尾葉子

イベール/室内管弦楽のためのディヴェルティメント
サン=サーンス/チェロ協奏曲第1番イ短調op.33(藤原真理(Vc))
メンデルスゾーン/交響曲第4番イ長調「イタリア」op.90
(アンコール)ビゼー/歌劇「カルメン」〜「セギディーリア」

★松尾葉子は,ブザンソン指揮者コンクールで優勝して注目を集めた。女性指揮者,女性ソリストが多く登場するのもOEKの特徴の一つかもしれない。

●第7回定期公演 90/03/16-17 金沢市文化ホール
指揮=天沼裕子

ストラヴィンスキー/八重奏曲
シューベルト(マーラー編曲)/死と乙女
モーツァルト/交響曲第35番ニ長調K.385「ハフナー」
(アンコール)モーツァルト/セレナードかディベルティメントの1つの楽章

●特別演奏会 90/04/27 石川厚生年金会館
指揮=井上道義

モーツァルト/セレナード第13番ト長調K.525
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番ト長調op.58(園田高広(Pf))
ハイドン/交響曲第100番ト長調「軍隊」
(アンコール) モーツァルト/行進曲ニ長調

★当初は渡辺暁雄が指揮をする予定だった。渡辺は演奏会直後の同年6月に亡くなった。岩城の師匠にあたる名指揮者だった。

●第8回定期公演 90/05/24-25 金沢市文化ホール
指揮=朝比奈隆

ハイドン/交響曲第40番ヘ長調Hob.I-40
モーツァルト/ピアノ協奏曲第25番ハ長調K.503(野島稔(Pf))
ベートーヴェン/交響曲第1番ハ長調op.21
(アンコール)ハイドン/交響曲第40番〜第4楽章

★朝比奈隆は,当時81歳。朝比奈が室内オーケストラを指揮する機会は非常に珍しいと思われる。朝比奈は,OEKの「応援団」の1人でもある。

●第9回定期公演* 90/06/29 金沢市文化ホール,90/6/30加賀市文化会館
指揮=岩城宏之

ドビュッシー(ビュッセル編曲)/小組曲
黛敏郎/プリペアードピアノと弦楽のための小品(蛭多令子(Pf))
ディッタースドルフ/コントラバス協奏曲ホ長調(中博昭(Cb))
モーツァルト/交響曲第36番ハ長調K.425「リンツ」
(アンコール)モーツァルト/歌劇「劇場支配人」序曲

★この演奏は未聴(実は,新婚旅行に行っておりました)。2回のうち1回は加賀市で開催された。アンコールは,会報の記事を元に記入。中は,1月の第5回定期公演に登場予定だったものが延びたもの。中は,「アドバイザー」の1人。

●特別演奏会 90/07/27 石川厚生年金会館
指揮=岩城宏之

外山雄三/管弦楽のためのディヴェルティメント
ヘルテル/8つのティンパニのための協奏曲(クリスチャン・シュテア(Timp))
(アンコール)不明/さくらの主題による変奏曲(クリスチャン・シュテア(Timp))
ベートーヴェン/交響曲第7番イ長調op.92
(アンコール)シューベルト/バレエ音楽「ロザムンデ」〜間奏曲第3番

★シュティアは,OEKの設立時の首席ティンパニ奏者だった。その後,首席奏者は,トーマス・オケーリーに変わった。

●第10回定期公演 90/09/07 金沢市文化ホール
指揮=岩城宏之

武満徹/ノスタルジア:アンドレイ・タルコフスキーの追憶に(マイケル・ダウス(Vn))
モーツァルト/ピアノ協奏曲第12番イ長調K.414(木村かをり(Pf))
ジョリヴェ/打楽器と管弦楽のための協奏曲(トーマス・オケーリー(Perc))
プロコフィエフ/古典交響曲ニ長調op.25
(アンコール)チャイコフスキー/弦楽セレナード〜ワルツ

★この公演から,ビラが英文併記になる。武満のノスタルジアは,岩城指揮OEKでCD化されているが,ヴァイオリンは堀正文である。ダウス独奏のものは,岩城指揮メルボルン交響楽団でレコーディングしている。プロコフィエフの古典交響曲はOEKが最も多く取り上げている曲だろう。このころから金沢での定期公演の数が1回になりつつある。

●第11回定期公演 90/10/08-09 金沢市文化ホール
指揮=山下一史

武満徹/弦楽のためのレクイエム
モーツァルト/ピアノ協奏曲第22番変ホ長調K482(伊藤恵(Pf))
ベートーヴェン/交響曲第2番ニ長調op.36
(アンコール)モーツァルト/ディヴェルティメントK138〜第2楽章

★4月からプリンシパル・ゲスト・コンダクターに就任した山下一史が定期公演に初登場。

●第12回定期公演 90/11/30 金沢市文化ホール
指揮=天沼裕子

モーツァルト/交響曲第25番ト短調K.183
ルトスワフスキー/悲しみの音楽:バルトークの追悼のために
ハイドン/チェロ協奏曲第2番ニ長調(ディミトリー・ヤブロンスキー(Vc))
シューベルト/交響曲第4番ハ短調「悲劇的」D.417

★ヤブロンスキーは,ロシア出身のチェリスト。若手ピアニスト,ペーテル・ヤブロンスキーとは無関係。ものすごい巨漢だった記憶がある。