1996年
●ニューイヤー・コンサート:特別公演 96/01/11 金沢市観光会館
リーダー=マイケル・ダウス
ベートーヴェン/エグモント序曲op.84
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番変ホ長調op.73「皇帝」(ピアーズ・レイン(Pf))
(アンコール)美しく青きドナウ」のテーマによるアラベスク(ピアーズ・レイン(Pf))※
ロッシーニ/歌劇「セヴィリアの理髪師」序曲
マスカーニ/歌劇「カバレリア・ルスティカーナ」間奏曲
シュトラウス,J./喜歌劇「こうもり」序曲
シュトラウス,J./皇帝円舞曲
シュトラウス,J./美しく青きドナウ
(アンコール)シュトラウス,J.I/ラデツキー行進曲

★この年以降,ニューイヤー・コンサートは,マイケル・ダウスの引き振りになった。前半は協奏曲,後半はシュトラウスの曲という構成もその後定着している。

●第54回定期公演 96/01/29 金沢市観光会館
指揮=小泉和裕
モーツァルト/交響曲第25番ト短調K.183
モーツァルト/交響曲第29番イ長調K.201
モーツァルト/交響曲第31番ニ長調K.297
(アンコール)モーツァルト/ディヴェルティメントK.136〜第1楽章

●第55回定期公演 96/02/22 金沢市観光会館
指揮=ジャン=ピエール・ヴァレーズ
ファリャ/「三角帽子」第1組曲
ロドリーゴ/アランフェス協奏曲(荘村清志(G))
(アンコール)タレガ/アルハンブラの思い出(荘村清志(G))※
デュリュフレ/レクイエム,op.9(高橋真美(Ms),木村俊光(Br)OEKCho)
(アンコール)モーツァルト/アヴェ・ヴェルムコルプス OEKCho

★荘村の弾いたアンコール曲は,演奏会の直前に亡くなった武満徹を追悼して演奏された。レクイエムの方についても「フランス音楽の影響を受けた武満さんのために演奏する」という挨拶がヴァレーズ氏からあった。

●第56回定期公演 96/03/08 金沢市観光会館
指揮=岩城宏之
武満徹/弦楽のためのレクイエム
モーツァルト/交響曲第10番ト長調K.74
モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K.219「トルコ風」(瀬崎明日香(Vn))
一ノ瀬トニカ/美しかったすべてを花びらに埋めつくして...フルートと室内オーケストラのための(世界初演)
プロコフィエフ/古典交響曲ニ長調op.25

★レクイエムは,当初のプログラムには無かった曲である。武満を追悼して演奏された。瀬崎明日香は1995年の日本音楽コンクールで優勝したばかりの若手ヴァイオリニスト。一ノ瀬の曲は前年9月の第51回定期公演で初演される予定だった曲。

●特別公演 96/04/25 金沢市観光会館
指揮=ジャン=ピエール・ヴァレーズ
ロッシーニ/歌劇「ブルスキーノ氏」序曲
モーツァルト/ピアノ協奏曲第25番ハ長調K.503(迫昭嘉(Pf))
ベートーヴェン/交響曲第4番変ロ長調op.60
(アンコール)シベリウス/悲しいワルツ

●第57回定期公演 96/05/23 金沢市観光会館
指揮=ジャン・フルネ

ラヴェル/バレエ組曲「マ・メール・ロア」
ラヴェル/ピアノ協奏曲ト長調(若林顕(Pf))
ビゼー/交響曲第1番ハ長調
(アンコール)ビゼー/アルルの女〜ファランドール

★フルネは,1913年生まれなので,演奏会の時は83歳だった。OEKに登場した最年長指揮者ということになる。この記録は,翌年フルネ自身によって更新されることになる。ピアニストは,当初,藤井一興の予定だったが,若林顕に変更になった。

●第58回定期公演 96/06/24 金沢市観光会館
指揮=井上道義

ハイドン/交響曲第6番ニ長調「朝」
ハイドン/交響曲第7番ハ長調「昼」
ハイドン/ヴァイオリン協奏曲第3番イ長調「メルク」(ライナー・キュッヒル(Vn))
(アンコール)不明/無伴奏ヴァイオリンの小品(ライナー・キュッヒル(Vn))※
ハイドン/交響曲第8番ト長調「晩」
(アンコール)ハイドン/交響曲第45番「告別」〜第4楽章の一部

●特別公演 96/07/19 金沢市観光会館
指揮=尾高忠明
ストラヴィンスキー/弦楽のための協奏曲
バーバー/ヴァイオリン協奏曲 竹澤恭子(Vn)
メンデルスゾーン/交響曲1番ハ短調op.11
(アンコール)モーツァルト/ディヴェルティメントK.137〜第2楽章

★尾高,竹澤ともに定期初登場。バーバーは,拍手がなかなか鳴り止まないほど見事な演奏だった。

●第59回定期公演 96/09/02 金沢市観光会館
指揮=岩城宏之
武満徹/弦楽のためのレクイエム
武満徹/リタニ:マイケル・ヴァイナーの追憶に(木村かをり(Pf))※
武満徹/水の曲(観世栄夫(能舞))※
武満徹/地平線のドーリア
武満徹/混声合唱のためのうた〜小さな空,○と△の歌,翼(大谷研二指揮OEKCho)※
(アンコール)武満徹/さようなら(大谷研二指揮OEKCho)※
武満徹/ハウ・スロー・ザ・ウィンド
武満徹/ファンタズマ/カントスII(日本初演) (クリスチャン・リンドバーグ(Tb))

★ピアノ独奏曲,合唱曲,テープにあわせての能舞などを含み,オーケストラの演奏会の枠を越えた演奏会になった。主役は手早く舞台転換をしていたスタッフの人たちだったかもしれない。武満徹は,1995年のコンポーザー・イン・レジデンスだったが,その任期中に無くなったので,OEKのための新曲は実現しなかった。本来はこの演奏会で初演予定だったが,追悼の演奏会になってしまった。合唱曲は当初岩城が指揮する予定だったが,練習を聞いて「あまりに美しかったので」そのまま合唱指揮の大谷が指揮をすることになった。アンコールで演奏された「さようなら」の作詞者の秋山邦晴は,演奏会直前の8月に武満を追うように亡くなっている。この曲は,武満の良き理解者でもあった秋山を追悼する演奏にもなった。曲名が「さようなら」というのも何かの因縁だろうか?

●第60回定期公演 96/10/07 金沢市観光会館
指揮=大友直人,岩城宏之

ベルリオーズ/幻想交響曲op.14(大友直人指揮東京交響楽団)
プロコフィエフ/古典交響曲ニ長調op.25(岩城宏之指揮OEK)
西村朗/鳥のヘテロフォニー(岩城宏之指揮OEK)
ワーグナー/楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲(大友直人指揮東京交響楽団,OEK)
外山雄三/管弦楽のためのラプソディ(岩城宏之指揮東京交響楽団,OEK)

★東京交響楽団とOEKとの合同公演。定期公演に指揮者が2人登場するのも珍しい。当初は,山本純ノ介の新曲が演奏される予定だったが,西村朗の曲に変更された。

第61回定期公演 96/10/20 金沢市観光会館
指揮=ニール・ヴァロン

モーツァルト/歌劇「フィガロの結婚」序曲
モーツァルト/交響曲第36番ハ長調K.425「リンツ」
モーツァルト/歌劇「ドン・ジョヴァンニ」〜序曲
モーツァルト/歌劇「ドン・ジョヴァンニ」〜カタログの歌(木村俊光(Br))
モーツァルト/歌劇「ドン・ジョヴァンニ」〜恋人をなぐさめて(錦織健(T))
モーツァルト/歌劇「フィガロの結婚」〜愛の神よ照覧あれ(小村さゆり(S))
モーツァルト/歌劇「フィガロの結婚」〜とうとううれしい時が来た(田島茂代(S))
モーツァルト/歌劇「魔笛」〜何と美しい絵姿(錦織健(T))
モーツァルト/歌劇「魔笛」〜愛の喜びは露と消え(田島茂代(S))
モーツァルト/歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」〜夫の腕の中に(錦織健(T),小村さゆり(S))
(アンコール)モーツァルト/歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」〜恋のいぶき(錦織健(T))

★小村と田島は,「岩城・OEKのモーツァルト全集」にも出演している。後半は,木村と錦織のトークを交えて進められた。