バッハ,J.S. Bach,J.S. ■ブランデンブルク協奏曲 1717年にバッハは,ケーテンという町で楽長に任命されたのですが,この時期に教会に関係のない器楽作品をたくさん書いています。ブランデンブルク協奏曲は,そういう作品の代表です。この協奏曲集の演奏技術の難しさを見る限りでは,このケーテンにあった楽団の演奏レベルは非常に高かったものと思われます。 この協奏曲集は,ブランデンブルク辺境伯クリスティアン・ルートヴィッヒに献呈されたため「ブランデンブルク協奏曲」と呼ばれていますが,辺境伯のために特別に作曲されたものではなく,このケーテンの楽団用に作曲したものの中から6曲選んだものと考えられています。 6曲それぞれ編成が違いますが,基本的な構造は,ヴィヴァルディの確立したバロック音楽の協奏曲形式で作曲されています。つまり, (1)曲の形式:急-緩-急(例外は第1番) (2)第1楽章と第3楽章の基本形式:リトルネッロ形式 というパターンです。リトルネッロ形式というのは,トゥッティ(T)とソロ(S)が交替して登場する形式です。Tの部分は,同じものが何回も登場しますが,これをリトルネッロといいます(リトルネッロというのは英語ではリフレーンということになります)。Sの方では,独奏楽器が通奏低音の上でいろいろな旋律を演奏します。 6曲のパターンを表にすると次のようになります。
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