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バルトーク Bartok
ルーマニア民俗舞曲
ルーマニアのトランシルヴァニアの民謡に基づく6曲からなる舞曲集です。バルトークは,コダーイと並んで民謡採集によって多くの作品を生み出しましたが,そうしたフィールドワークの代表作です。原曲はピアノ曲ですが,その人気を反映してか,作曲者自身によって1917年に管弦楽用,友人のセーケイによってヴァイオリンとピアノ用に編曲されています。その他,弦楽合奏用などいろいろな形に編曲されています。ちなみに,この曲の一部は,数年前テレビ朝日系列で放送されていた「大改造!!劇的ビフォーアフター」の挿入曲としていたことがあります(編曲は,松谷卓によるもの)。

この曲は,「民俗舞曲」の名前どおり,労働の歌や農民の舞曲などをほぼ生のままの旋律とリズムで取り扱っていますが,その雰囲気を壊さない程度にバルトーク風味の和音が加えられているのが特徴です。6曲は一続きに演奏され,大雑把に言って,ゆっくりとした第1曲からだんだんテンポが速くなり,エネルギッシュなものに移っていくという構成となっています。

第1曲 ジョク・ク・バータJocul cu bata(棒踊り)
各節の終わりに杖で地を打つリズムが付いている。

第2曲 ブラウル Braul(飾帯をつけた踊り)
美しく着飾った農民たちの喜びに浮かれる踊り。トロンタール県に伝わる踊り。

第3曲 ペ・ロック Pe loc(足踏み踊り)
ピアニシモのひなびたメロディが哀愁を誘う。足踏みで脱穀しながらの労働歌

第4曲 プチュメアーナ Buciumeana(プチュムの踊り)
3拍子のトランシルヴァニア地方のゆったりとした舞踏曲

第5曲 ポアルカ・ロマネアスカ "Poarga" romaneasca(ルーマニア風ポルカ)
かなり情熱的で野性味豊かなポルカ

第6曲 マヌンツェル Manuntelul(急速な踊り)
2種の舞曲が接続されている。後半は速度を加速度的に速め,狂乱の中で結ばれます。
(2007/10/14)