バーンスタイン Bernstein
■ミュージカル「キャンディード」
バーンスタイン作曲のミュージカルといえば何といっても「ウェストサイド物語」が有名ですが,その直前に書かれたのがこのキャンディードです。ただし,この作品は1956年にブロードウェイで上演されたのですが,3週間ほどで上演打ち切りになり,その後ほとんど上演されなくなりました。同じ時期に「ウェストサイド物語」が上演され,その後繰り返し上演されるようになったのとは対照的です。

その中で,序曲だけは一般のクラシック音楽の演奏会などでもよく取り上げられます。私自身,この曲の全曲を聞いたことはありませんが,近年再評価が進みつつあるようです。バーンスタインの最後の弟子である日本の佐渡裕がこの曲の再上演を行なって話題になったりしてますので,今後評価が進んで行く曲ではないかと思います。

●序曲
大変華やかで,活気と才気に溢れた楽しい曲です。ファンファーレのような音型に続いて,何拍子かよくわからないようなせわしない第1主題が出てきます。第2主題の方はウェストサイド物語あたりに出てきそうな甘く流れるようなメロディです。これらが再現した後,ロッシーニクレッシェンドを思わせるような感じで盛り上がり,すっきりと終わります。(2003/08/17)