ブリテン Britten
■ヴァイオリン・ヴィオラと管弦楽のための二重協奏曲ロ短調

ブリテンの生前には演奏されませんでしたが,死後復元され,ケント・ナガノ指揮のブリテン−ピアーズ・オーケストラによって1987年6月15日スネイプ・モールティングスで初演されたブリテンの若き日の作品です。古典的な3楽章から成っています。協奏曲といっても,それほど華やかな雰囲気はなく,全体に渋い印象を残す作品です。

第1楽章
同じ音を繰り返す音型に続き,ホルンが呼び掛けるようなメロディを演奏して曲は始まります。続いて,独奏ヴィオラ,独奏ヴァイオリンの順に加わってきます。しばらくすると新しい主題がヴィオラに登場します。最初のホルンの信号が戻ってきて,最後は静かに終わります。

第2楽章
抒情的な雰囲気の楽章です。一貫して低音に持続音が鳴る中,語りのようにヴァイオリンが登場します。続いてヴィオラも登場します。この楽章も静かに終わる。

第3楽章
前楽章から残る打楽器の音の小さな音の動きの上にファゴットが動きのある主題を出してきます。これを独奏ヴァイオリンなど色々な楽器が引継ぎます。独奏ヴィオラに出てくる新しい主題も動きのあるものです。楽章の最後は,ここでも静かな雰囲気になり,ひっそりと全曲が結ばれます。(2003/05/11)