ショパン Chopin

■ノクターン Nocurnes

ショパンは「ピアノの詩人」と呼ばれることがありますが,その呼び名にもっとも相応しいジャンルがこのノクターンです。ノクターンという曲種は,もともとはジョン・フィールドというアイルランドの作曲家が作ったものですが,今ではショパンの代名詞のようになっています。ショパンの作った21曲のノクターンは,このジャンルの定番です。フォーレをはじめとする後世の作曲家に大きな影響を与えました。

このノクターンには,「夜想曲」という名訳がありますが,ショパンのノクターンにも文字通り「夜に物を想う曲」といった共通する雰囲気があります。曲の構成は,三部形式のシンプルなものが多く,イタリア・オペラのアリアのような歌に溢れています。基本的にはすっきりしたスタイルですが,トリルや装飾音が効果的に使われていますので全体に優美な気分があります。

ショパンの全生涯を通じて書かれた粒ぞろいの21曲はショパンの音楽の精髄と言えます。(2005/05/12)