第1場 城の塔の一つ |
前奏 |
♪単純化された音と動きに微妙な陰翳。この場の気分の統一性を図っている。 |
バルコニー・シーン |
メリザンドが窓辺で髪を梳いて,古謡を口ずさんでいると,ペレアスが下の道に現れ,美しい長い髪を見せてとせがむ。♪このオペラの中で唯一,アリア風の部分
彼女が身を乗り出すと,長い髪がペレアスに降りかかる。♪髪が伸びていく時の下行する音型
ペレアスはそれを柳の枝に絡めて遊ぶ。♪幸福感いっぱいのペレアスの歌。コントラバスを除いた,オーケストラの総奏
ゴローが通りかかり,幼い2人の遊びだ,と愚かしいことをしかる。 |
間奏 |
♪主役3人のモチーフが重なり合う。ティンパニのトレモロと弱音器をつけた,3本のトランペット |
第2場 城の地下にある穴倉 |
重苦しい気分 |
ゴローはペレアスを伴い死の臭気に淀む水を見せる。♪オーケストラが刻む単調な繰り返しのリズムの不気味さ。ホラー的なシーン
ペレアスはテラスに逃れる。 |
間奏 |
♪第2場(暗)→第3場(明)への変化の準備 |
第3場 穴倉の出口にあるテラス |
開放的な気分 |
♪前の場と対照的な清々しい場
ゴローはメリザンドが母になろうとしていることを告げ,身重で感じやすいメリザンドとあまり会うなと警告する。 |
間奏 |
♪オーボエとコールアングレが「イニョルドのモチーフ」を演奏 |
第4場 城の前 |
ゴロー,息子イニョルドにスパイをさせる |
ゴローは,窓の下で先妻の子イニョルドを抱き上げ,妻とペレアスのことを聞きだそうとする。
メリザンドの部屋に明かりが点く。
ゴローは息子を抱き上げて,窓から室内を窺わせる。
「2人が一緒に黙って明かりを見ている」というと,ゴローは興奮し,イニョルドをおびえさせる。♪管弦楽はフォルテシモになる。 |
後奏 |
♪ゴローの内心の激動を示すようなクレッシェンドで,最後は総奏のフォルティシモ |