ドビュッシー Debussy

■小組曲
この曲はドビュッシーのかなり初期に作られた4曲からなる組曲です。そのせいか,伝統的なスタイルで書かれており,爽やかな詩情が自然に漂う美しい曲となっています。もともとはピアノ連弾のために作られた曲ですが,ビュッセルによって編曲された管弦楽版もよく演奏されます。

第1曲小舟にて

単独で演奏されることもよくある,大変よく知られた曲です。分散和音の上に6/8拍子の揺れるようなメロディが流れる親しみやすい曲です。管弦楽版では,最初,主旋律はフルートで演奏され,次々と別の楽器で演奏されます。分散和音の方はハープで演奏されます。中間部は少しダイナミックな感じになります。

第2曲行列
この曲も最初はフルートです。3度の音程の和音が平行して進行する主旋律の動きには弾むような楽しい雰囲気があります。中間部では下降していくような対照的な動きを見せます。

第3曲メヌエット
序奏に続いて出てくる典雅な主旋律は,ドビュッシーの歌曲「艶めく宴」の旋律をそっくり取り込んだものです。ルイ王朝風の舞踏風景を描いています。中間部も優雅な雰囲気があります。こちらは,最初ファゴットで演奏されます。

第4曲 バレエ
ルイ14世が踊ったというバレエをイメージして作られた曲です。快活ではずむような曲調がとても印象的です。中間部はテンポを落としワルツになります。コーダはテンポがアップして華やかに結ばれます。(2002/4/2)