夜明け前の歌 A Song before Sunrise |
1918年にディーリアスの友人の作曲家で「ディーリアス伝」を書いたピーター・ウォーロック(本名:フィリップ・ヘセルタイン)のために書いた小管弦楽用の交響詩です。曲は,短い間奏曲をはさんだ三部形式で書かれ,最後にコーダが付いて閉じられます。
英国の詩人スウィンバーンの詩からインスピレーションを得て作曲されたと言われていますが,文学的な気分よりは,イギリスの田園の日の出前の美しさを描いた「音詩」として楽しむことができます。甘美な序奏部は大自然が徐々に目覚めてくる微かなざわめきを暗示。絶妙のタッチを聞かせます。
なお,日本語のタイトルとして,「暁の歌」というものもありますがが,原題は「A Song before Sunrise」なので,原題に即した「日の出前の歌」または「夜明け前の歌」とすべきと,音楽評論家の三浦淳史氏は言っています。
CD「ディーリアス管弦楽曲集(トーマス・ビーチャム指揮,EMI TOCE-7158)」の三浦淳史氏による解説
管弦楽曲.中(ON BOOKS SPECIAL . 名曲ガイドシリーズ; 4)音楽之友社, 1984
(2020/08/21)
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