エルガー Elgar

■序奏とアレグロト短調,op.47

この曲は,弦楽四重奏と弦楽合奏を対置させたような形の曲です。その点で,バロック時代の合奏協奏曲などを思い出させるような曲となっています。曲は,タイトルどおり「序奏」と「アレグロ」の部分からなっていますが区別は付きにくい感じです。

序奏は哀しげで深刻な感じで始まります。しばらくしてヴィオラが歌い出すメロディは,エルガーがウェールズ滞在中に耳にしたメロディを書き留めたといわれています。「ウェールズ節」とも呼ばれ,この曲のキーとなるフレーズとなっています。途中,フーガのような厳格な雰囲気になったりします。最後の方では,序奏で出てきたメロディが再度出てきて展開し,高揚感のある終結部で盛り上がりを作った後,すっきりと終わります。(2002/4/22)