フランク Franck

■英雄的小品ロ短調

フランクの作品では,交響曲とヴァイオリン・ソナタが大変有名ですが,生涯にわたってオルガンのための作品を書いています。この英雄的小品は「3つの小品」としてまとめられた曲集の中の1曲です。

この曲は1878年のパリ万博の際に建てられたトロカデロ宮のコンサート用パイプオルガンの落成式のために作られた作品です。ロ短調という調性で書かれていますが,そういう曲集の最後を飾るの曲ということで,華やかな雰囲気のある作品となっています。

曲は「ザッザッザッザッ」という行進曲のリズムで始まります。暗いけれどもヒロイックなムードを漂わせています。中間部のコラールはロ長調で優しく演奏されます。長調と短調の葛藤の後,最後はロ長調となり,伝統的なフランス風序曲のリズムをもったファンファーレへとつながります。曲は堂々とした勝利のフォルテシモで結ばれます。(2004/01/19)