フランク Franck

■前奏曲,フーガと変奏曲 ロ短調, op.18

1862年に出版された「6つの作品」の中の第3曲。表題どおり3つの部分から成る作品ですが,「変奏曲」の部分は,前奏曲を返送した形ですので,フーガを中間に挟んだ,A-B-A'の三部形式といえます。各部分は次のとおりです。

前奏曲:アンダンティーノ・カンタービレ,8/9拍子。オーボエ管による牧歌的な美しいメロディが印象的です。この部分自体もA-B-A'の三部形式で書かれています。
フーガ:9小節の序奏に続き,アレグロ・マ・ノン・トロッポ,3/4拍子,4声で書かれたフーガいなります。ほとんど転調はしません。
変奏曲:アンダンティーノ,8/9拍子。前奏曲の再現。ロ長調で静かに終わります。

おの作品は,作曲家サン=サーンスに献呈されています。また,フランク自身による小オルガン及びピアノ用の編曲版もあります。

(参考資料)
器楽曲.下(ON BOOKS SPECIAL名曲ガイド・シリーズ;12).音楽之友社,1984
セザール・フランクオルガン名曲集(オルガン:マリー=クレール・アラン,エラート録音 WPCC-5036)の深井李々子氏による解説

(2022/2/19)