フランク Franck

■交響的変奏曲

フランクが代表作・交響曲ニ短調の作曲に取り掛かる直前に作られた,ピアノ協奏曲的な作品です。その初演は,フランクにとっては「生まれて初めて」というぐらいの成功を収めました。

曲は切れ目なく演奏されますが,導入部,4つの変奏,フィナーレという構成になっています。導入部冒頭に出てくる弦楽器による堂々とした動機,それに続くピアノによる第2主題が主要な主題で,フランクお得意の循環形式を用いながら,自由な変奏を繰り広げています。この2つの主題が交互に出てきた後,変奏が繰り広げられます。ただし,それほど華やかな感じではなく常に暗い表情を持っています。とはいえ,曲の終わりに近づくにつれて明るく軽やかな表情を見せ,キラキラと輝くようなピアノのタッチを交えながら爽快な気分で力強く全曲を閉じます。(2004/10/19)