イヴァノヴィッチ Ivanovici
■ドナウ川のさざなみ

イヴァノヴィッチという作曲家の代表作―というよりは,イヴァノヴィッチの曲の中で唯一知られている作品です。この曲は,特に日本で人気が高く,明治時代には軍楽隊のレパートリーとして大変人気が高かったそうです(ちなみに作曲者のイヴァノヴィッチも軍楽隊長でした)。特に冒頭の流れるようなメロディは有名で「月は霞む春の宵...」という歌詞が付けられて愛唱されていました。

曲はいろいろなワルツが次々と出てくる接続曲です。哀愁を帯びたメロディには,演歌的なムードもあります。近年,オーケストラの演奏会で取り上げられる機会は非常に少ないのですが,ちょっと懐かしくなるような素朴な味を持った愛すべきワルツです。

ちなみに原曲は吹奏楽のために書かれています。吹奏楽版で演奏される機会はさらに少ないかもしれません。(2003/06/07)