メンケン Menken
■映画「美女と野獣」の音楽
「白雪姫」から始まる,ディズニーのアニメーション映画には,いずれも親しみやすい音楽が付けられています。ほとんどミュージカル映画と言っても良いくらいです。その頂点に立つ作品が1991年に上演されたこの「美女と野獣」です。アニメーション映画としては,史上初めてアカデミー作品賞にノミネートされており,大人でも楽しめるアニメーションとして大変人気があります。その後,ブロードウェイ・ミュージカルとしてリメイクされてもいます。

音楽を担当しているのは,作詞のハワード・アシュマンと組んで,多くの名曲を作ってきたアラン・メンケンです。この音楽は,アカデミー主題歌賞,作曲賞を受賞しています。映画の原作は,ボーモン夫人による古典的な物語です。この作品は,ジャン・コクトー監督,ジャン・マレー主演による古典的な白黒映画もよく知られていますが,この作品では,ディズニー映画らしく,楽しいキャラクターが付け加えられているのも見所です。

●美女と野獣
この作品の主題歌です。物語中では,ようやく愛し合うようになった野獣=王子とベルとが手と手を取って,城の階段を下りてくるシーンで歌われます。このシーンでは,ポット夫人役のアンジェラ・ランズベリーが味わい深く歌っています。その他,映画が終わった後のエンド・クレジットで,もう一度歌われます。こちらの方は,セリーヌ・ディオンとピーポ・ブライソンによる二重唱で歌われます。一般的にはこちらの方がよく知られています。

現代のスタンダードナンバーとしてすっかり定着した,愛のバラードの傑作です。(2003/07/30)