メシアン Messiaen
■ 異国の鳥たち
ピエール・ブーレーズの求めによって1955年から1956年にかけて作曲されたピアノと小規模編成オーケストラのための作品。ただし,1956年3月の初演の指揮はピエール・ブーレーズではなく,ルドルフ・アルベールで,ピアノはメシアン夫人のイヴォンヌ・ロリオが担当しました。

この曲は小さなホールのために作曲したもので,楽器の配置も,よりよい音響効果が計算されています。3つの小カデンツァと2つの大カデンツァを含むピアノ・ソロのパートは非常に重要な役割を占めるので,ピアノ協奏曲と呼んでも良い作品となっています。その他,2つの変ロ調クラリネットも重要な役割を果たします。中間部で「コマツグミ」の歌を演奏します。シロフォンもソロ楽器として扱われます。

曲には,弦楽器が全く入らず,きらびやかな打楽器が沢山加わっていることもあり,全体的に熱帯の色を感じさせてくれるます。ピアノのきらびやかなソロと小オーケストラの合奏とが交替しながら曲は進みます。メシアンらしく,鳥の描写が随所に盛り込まれ,譜面には鳥の名称が綿密に書き込まれています。その一方,ピッコロの音が印象的に出てきたり,突然,トランペットを中心とした行進曲のような雰囲気になったりと,どこかチープな楽しさも漂う作品です。最後はオーケストラが,機械的なリズムをガンガンガンと打ち付けるようにして終わります。

[編成]独奏ピアノ,フルート,ピッコロ,オーボエ,クラリネット2,Esクラリネット,バスクラリネット,ファゴット,ホルン2,トランペット,グロッケンシュピール,シロフォン,タムタム,ゴング,小太鼓,ウッドブロック,木魚

(参考)CD「ピアノと鳥とメシアンと/岩城宏之,木村かをり他(King KICC253)」の解説(2005/11/22)