モーツァルト Mozart

■モテトニ長調「アヴェ・ヴェルム・コルプス」,K.618
モーツァルトの死の半年ほど前に作曲されたオーケストラと合唱のための名曲です。3分余りの短い作品で,穏やかな雰囲気が漂う曲ですので,合唱団の加わる演奏会のアンコール曲の定番としてよく演奏される曲です。

編成は,混声4部合唱と弦楽オーケストラ,オルガンとなっています。全体は46小節しかありませんが,シンプルで透明な音の動きの中に陰影に富んだデリケートな表情が盛り込まれています。音の動きに派手さは全くなく,中音域だけでゆっくりと歌われます。モーツァルトは「神に愛された作曲家」と呼ばれますが,この曲を聞けばそのことが分ります。奇跡的な作品と言えます。(2003/04/27)