ルーセル Roussel

■小管弦楽のための協奏曲,op.34

1869年フランス生まれの作曲家ルーセルが1926年に小オーケストラのために書いた12,3分の作品です。この時代のフランスは印象主義の時代ですが,ルーセルは,ストラヴィンスキーなどと同様,バーバリズム,新古典主義などいろいろな音楽様式の影響を受けています。この作品も,急緩急の3楽章から成り,伝統的な合奏協奏曲を思わせる様式で書かれていますが,サウンドとしては,かなり斬新で,野性的な雰囲気を感じさせる部分もあります。

第1楽章
アレグロ。2/4拍子。何となくピアソラの曲の出だしを思い出させるような推進力のある力強い雰囲気で始まります。そこにフルート,トランペットなど管楽器を中心として各楽器がソリスティックに絡んできます。最後は静かに終わります。

第2楽章
アンダンテ。6/4拍子。ミステリアスな雰囲気のある緩徐楽章です。管楽器を中心とした線と線の絡み合いを聞くことができます。

第3楽章
プレスト。3/4拍子。1楽章と同様,動きのある雰囲気に戻ります。いろいろな楽器の音がソリスティックに出てきて楽しめますが,最後はふっと力が抜けたように静かに終わります。(2002/06/25)