シュトラウス,J.II  Strauss,J.II

■喜歌劇「ジプシー男爵」序曲
ヨハン・シュトラウスの作曲したオペレッタ(喜歌劇)といえば何といっても「こうもり」ですが,それに次いで知られているのがこの「ジプシー男爵」です。この曲はシュトラウスのデビュー40周年記念の翌年(1885年)のシュトラウス60歳の時の作品です。この頃,すでにシュトラウスは名声を確立しており,この曲の上演の頃は各地で祝福を受けているようです。

物語は,ハンガリーが舞台で,ジプシーに身をやつしたお姫様ザッフィと亡命を余儀なくされている大地主の息子バリンカイ(この人が自称「ジプシー男爵」)の恋愛と宝さがしをめぐる楽しいお話です。オーケストラの演奏会では序曲の他に入場行進曲などが演奏されることもよくあります。

序曲
「こうもり」序曲と同様に,オペレッタの中の「ジプシーの歌」などのメロディが次々と出てくる接続曲です。出だしの暗い序奏に続き,クラリネットがちょっとエキゾティックなメロディを演奏します。この辺はちょっと深刻な雰囲気がありますが,オーボエで親しみのあるメロディが出てくるとのどかな雰囲気になります。テンポアップし,さらに楽しげになりますが,しばらくすると暗く激しい部分となります。その後は,ウィーン風のワルツが続きます。最後は,チャールダッシュのように暗く情熱的な雰囲気になり,いちばん最後はどんどんテンポアップしていきながら終わります。(2002/11/30)