滝廉太郎 Taki
■花
「春のうららの〜」で始まる女声2部合唱の名曲です。滝廉太郎の曲では,「荒城の月」「箱根八里」と並んで大変よく親しまれています。東京を流れる隅田川のテーマソング的な曲でもあります。

曲は非常にわかりやすく,誰もが「私たちでもハモれそう」と感じるような曲です。メロディは,川の流れを歌った曲にふさわしく,非常に流麗です。途中の「櫂のしずくも花と散る」という辺りの盛り上がりにも「春爛漫」といった晴れ晴れとした気分がみなぎっています。

武島羽衣の作った詞は三番まであり,基本的には同じメロディが繰り返されますが,部分的に変形されている箇所もあります。間奏に出てくる華麗なピアノのパッセージも聞き所です。最後はテンポをぐっと落として盛り上がりを作り,余韻を残しながら終わります。

日本の洋楽の最初期に出来た曲ですが,全く古びることがなく,どの時代の人にも親しまれ続けている永遠の名曲です。(2003/12/09)