ヴェルディ Verdi

■歌劇「トロバトーレ」
ヴェルディの数あるオペラの中でも最も旋律の美しさに溢れていると言われているのが「トロバトーレ」です。トロバトーレとは,中世に宮廷や豪族を宅を回り,自作の恋愛詩を歌った貴族や騎士出身の吟遊詩人(詩人謙音楽家)のことです。このオペラは,15世紀のスペインを舞台とした,復讐と対決と勘違いに溢れた,かなり血生ぐさい内容となっています。その一方,オペラの醍醐味が味わえる作品として非常に高い人気を持っています。

●アンヴィルコーラス〜炎は燃えて
「アンヴィル・コーラス」は,第2幕の最初の夜明けの場で,ジプシーたちが鍛冶の鉄床を叩いて歌う,陽気で印象的な合唱です。その後,燃える篝火を見てアズチェーナ(メゾ・ソプラノ)が母の火あぶりの刑を思い出して,ジプシー仲間に嬰児誘拐のことを物語るのが「炎は燃えて」です。メゾ・ソプラノの代表的なアリアです。(2003/04/27)