ショーロスというのは,ヴィラ=ローボスによって設定された新しい音楽形式のことです。もともとは俗謡を演奏する”流しのバンド”を指す言葉で,こういバンドの演奏する曲をショーロスと呼ぶようになったとのことです。民俗舞曲が都市化されたものとも言えます。
ヴィラ=ローボス自身は,この形式について次のように語っています。
「ブラジル,インディオ及び民衆音楽の旋法を総合した形式で,その主要素として民俗的性格を帯びたリズムと旋律を備えている」。
曲の性格としては,「セレナード」に近いものとのことです。
このショーロスは,14番まであります。曲ごとに楽器編成が異なるけれども,「精神」は共通するという点で,「ブラジル風バッハ」と同様のシリーズと言えます。
第1番
編成:ギター独奏,作曲年:1920年
ブラジル調タンゴの一貫したリズムの上に,哀調を帯びた民謡風のメロディがロンド形式のように繰り返し現れます。これに対比される副次的な素材も豊かに登場します。バラード風の美しいメロディと軽妙なリズムとが交錯する魅力的な作品です。
第2番
編成:フルートとクラリネット,作曲年:1921年
第3番「きつつき」
編成:男声合唱,クラリネット,サクソフォーン,ファゴット,ホルン3本,トロンボーン,作曲年:1925年
第4番
編成:ホルン3本,トロンボーン,作曲年:1926年
第5番「ブラジルの心」
編成:ピアノ,作曲年:1926年
第6番
編成:管弦楽,作曲年:1926年,初演:1942年 リオ・デ・ジャネイロ
第6番の追加
編成:ヴァイオリン,チェロ,作曲年:1928年
第7番
編成:フルート,オーボエ,クラリネット,サクソフォーン,ファゴット,ヴァイオリン,チェロ,作曲年:1924年
第8番
編成:管弦楽,ピアノ2台,作曲年:1925年
第9番
編成:管弦楽,作曲年:1929年,初演:1942年 リオ・デ・ジャネイロ
第10番「愛情の破れ」
編成:合唱,管弦楽,作曲年:1925年,初演:1926年 リオ・デ・ジャネイロ
第11番
編成:管弦楽,ピアノ,作曲年:1928年,初演:1942年 リオ・デ・ジャネイロ
第12番
編成:管弦楽,作曲年:1929年,初演:1945年 ケンブリッジ(マサチューセッツ州)
第13番
編成:2つの管弦楽,吹奏楽,ピアノ,作曲年:1929年
第14番
編成:管弦楽,吹奏楽,合唱,ピアノ,作曲年:1928年
追加
編成:ヴァイオリン,チェロ,作曲年:1928年
(参考文献)
アルハンブラの思い出/ナルシソ・イエペス(KING KICC-8230の三浦淳史氏による解説)
(2008/09/27)
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