北陸電力創立50周年記念コンサート
01/12/4 石川県立音楽堂コンサートホール

1)ロッシーニ/歌劇「どろぼうかささぎ」序曲
2)ウォルトン/ヴァイオリン協奏曲
3)(アンコール) バッハ,J.S./無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 2番〜アンダンテ
4)ドヴォルザーク/交響曲9番ホ短調 「新世界より」
5)(アンコール)ドヴォルザーク/スラヴ舞曲Op.72-2
●演奏
岩城宏之/OEns金沢,
諏訪内晶子(Vn*2,3)


Review by川崎さん
12月4日に北陸電力50周年コンサートに行ってきました。家族全員の名前を借りて5通応募して、1通アタリました。当日6時開場でしたが、5時から観客が並ぶ状態で、開場してスグに1階、2階が満員となり、場内アナウンスで3階への誘導を行なっていました。

ウォルトン語を理解し、自信を持って演奏している。この曲に関しては、現代音楽を得意としている岩城さんより先んじているのかも。曲想から、オドロオドロシイ怪物の中を箒に乗ってすばっしこく駆け巡るハリー・ポッターを連想する、イギリスの作曲家だからか。自分の庭の様に、総てを熟知して、イキイキと嬉しそうに飛び回る。高度の確実さと安定性を併せ持つ。一方、曲の性格付けでは、骨太で存在感のある語り、暗中模索でなく明確な問題意識を持っての演奏。力強さと説得力を兼ね備えている。メクラメッポウの出たとこ勝負のイイカゲンサはない。作曲家の呼吸で作品を語る。音に力を感じる。

諏訪内さん、今までコダワリをみせていたキレイな言葉の音楽と違う別の顔。収まりない不安げな世界に踏み込む。最初は大きな目を不安そうにしていたが、すぐに吹っ切れた様に豹変した。ナリフリ構わず、熱心に、一心不乱に推し進める。オーケストラの中での自分の居場所を確認、メイッパイ存在をアピール。自分の音楽を堂々と展開しオーケストラをリードして様にも錯覚する。デシャバリ過ぎは感じナイ。この演奏家のコンチェルトはこれまで5回聴く機会に恵まれたが、付きまとっていた華奢なイメージの一人歩きが消えていた。身近に感じた。時々聴こえるキレイな音はアクセント、安らぎのオアシス。

アンコールのバッハの「無伴奏バイオリンソナタ2番」の「アンダンテ」。前にも聴いたことがあるのかもしれない。可愛くて愛くるしいアンダンテ。幼い女の子がお気に入りのお人形やヌイグルミに話しかける様に、あるいは好きな人のコトを想っての乙女チック風。優しい心で慈しむように、そおっとそおっと、コワレモノを扱うように。純真無垢、あどけなさ。ブリッコしている可愛さが似合っている。敬虔な祈りからの何かを拒絶するヒタムキサでなく、ホッとするアタタカミを感じる。川崎さんのHPの方の感想はこちら (2001/12/09)
北陸電力創立50周年記念演奏会