オーケストラ・アンサンブル金沢第2回七尾定期公演F
2002/09/22 七尾サンライフプラザ
1)渡辺俊幸/NHK大河ドラマ「利家とまつ」〜メインテーマ,信長のテーマ,利家のテーマ,松のテーマ,永久の愛
2)マクレーン,D作詞作曲(前田憲男編曲)/アンド・アイ・ラヴ・ユー・ソー
3)アンカ,P,カーン,S作詞,カラヴェリ,ジョルダン,J./レット・ミー・トライ・アゲイン
4)ラプス,J./シング
5)アンカ,P.作詞,レヴォー,J.,フランソワ/マイ・ウェイ
6)岩谷時子作詞,弾厚作(榊原栄編曲)/君といつまでも
7)弾厚作作詞・作曲(榊原栄編曲)/ある日渚に
8)岩谷時子作詞,弾厚作(榊原栄編曲)/旅人よ
9)ルグラン(前田憲男編曲)/シェルブールの雨傘
10)岩谷時子作詞,弾厚作(前田憲男編曲)/蒼い星くず
11)岩谷時子作詞,弾厚作(前田憲男編曲)/夜空の星
12)マンシーニ(前田憲男編曲)/ムーン・リヴァー,シャレード(メドレー)
13)谷村新司代表作詞,弾厚作(榊原栄編曲)/サライ
14)岩谷時子作詞,弾厚作(前田憲男編曲)/僕の妹に
15)岩谷時子作詞,弾厚作(前田憲男編曲)/ その愛
16)(アンコール)岩谷時子作詞,弾厚作(編曲者不明)/お嫁においで
●演奏
加山雄三(Vo,エレキギター,Pf)
水木ひろし/Oens金沢,マイケル・ダウス(Vn*9)
マイケル・ダウス(コンサートマスター)

Review by七尾の住人さん
昨日の県立音楽堂にファンタジーシリーズの公演が七尾のサンライフプラザのホールでも行われました。

昨日の音楽堂の方へは行っていませんから管理人さんの情報を元にしたものですが、曲目がいくつか変更になってました。まず、007、イエスタディ、カーペンターズ・メドレーが抜けて、その代わりに最初に「利家とまつ」からメインテーマを含めて5曲(その他は、信長のテーマ、利家のテーマ、末のテーマ、永久の愛)が演奏されました。あとはアンコールを含めて同じプログラムでした。「利家とまつ」が入った分、水木さんのトークもこのことについての話が飛び出しました。ちなみに、この七尾公演では、「水木ひろしって誰?」となるのを恐れてか「岩城宏之(水木ひろし)」と案内されていました。OEKをサウンドトラックに入れるというのも岩城さんから出た話で、大河ドラマにN響以外のオケが入るのは初めてとのことでした。また、このサントラの作曲者はもともとは「さだまさし」さんのバックバンドでドラマを叩いていた人で、アメリカでみっちり作曲を学んだとの事でした。ですから曲の中にハリウッドぽい所も感じてもおかしくないかもしれませんね。水木さんはこの作曲家の渡辺さんを大変気に入ったみたいで、ジョン・ウィリアムズとボストンポップスのように、渡辺俊幸とOEKでファンタジーシリーズを行う計画が頭の中にあるようです。

私はあまりテレビを見ませし、このサントラ盤の録音の様子がちらりとテレビ番組に出てある事情が分かりましたので、買う気はなかったのですが、今日の演奏を聴いて買いたくなってしまいました。事実、このサントラは休憩や終演後、かなりの数が売れていたように思います。たくさん人が来てたので今回は我慢し、今度音楽堂へ行った時に買うことにします。

さて、今回の主人公といったらいいでしょうか?加山雄三さんですが、声もとても若々しくみずみずしいままで、とても60を超えた方とは思えませんでした。また、歌も素晴らしく、外見や話題が主であまり中身がともなわない今の日本のポップス界にはない、「これが本当の歌だ。」と感じさせるものがありました。加山雄三さんに関しては、若大将で昔そういう映画にたくさん出た人ぐらいのイメージしかなかったのですが、話によるとエルヴィスに出会うまではクラシックをかじっていた人だったんですね。そこからだけではないでしょうが、あの歌のうまさはその影響も大きいでしょうね。時折客席に手を振り替えしながら歌っていましたが、加山さんによるギターありピアノのたっぷり2時間のコンサートでした。最後のアンコールは水木さんは指揮台を降りて第一ヴァイオリンの後ろでタンバリンを叩いていました。加山さんの歌、水木さんと加山さんの話、今月は大活躍のダウスさんのヴァイオリンといった具合に、大変充実したものとなりました。

ただ、一つ残念なことはOEKの純粋な生の音が今回は聴けなかったことです。オケの間にもたくさんのマイクが設置してあり、最初は録音のためだと思ったんですが、全部PAのためのマイクでした。最初のOEKだけの「利家とまつ」で聞こえてきた音が、いつものOEKの音ではありません。去年の七尾公演でも聴いているだけにサンライフプラザのホールの音はこんな音だったか疑問になり、もしかしたらどでかいスピーカーが左右に立っているのでその影響かと思ったりしたのですが、実は歌が入らない時もマイクを通してそのスピーカーから音が流されていたのです。

いくら生の音を直接拾っているとはいえ、電気的に変化を与えられた音になってしまいます。ケーブルの材質によっても音が変化しますから、使う機材によっても違う音になってしまいます。いつものOEKの響きを10としたら、PAを通すと最高でも8ぐらいしかその良さが伝わっていないような気がしました。音量的な問題もありマイクで歌が入った後は、ずっとPAを通しても良かったと思うのですが、せめて一番最初のOEKの演奏だけは何も通さない純粋なOEKの音で聴きたかったです。OEKの魅力の一つは、このOEKの綺麗な響きにあるのですから残念でした。(2002/09/22)