ランチタイム・コンサート
2003/01/26 石川県立音楽堂コンサートホール
第1部オルガンのステージ
1)ヴェルディ/歌劇「アイーダ」〜凱旋行進曲
2)バッハ,J.S./前奏曲とフーガイ短調,BWV.543

第2部木管トリオのステージ
3)イベール/5つの小品〜第1,2,5曲
4)アイルランド民謡/ロンドンデリー・エア
5)イギリス民謡/グリーンスリーブス
6)映画「オズの魔法使い」〜虹のかなたに
7)映画「ゴッド・ファーザ」〜愛のテーマ
8)映画「サウンド・オブ・ミュージック」〜テーマ

第3部オルガンのステージ
9)マクダウエル/森のスケッチ〜昔,密かに出会った所で
10)窪田聡/かあさんのうた
11)川村結加/夜空ノムコウ
12)アラン/連祷(リタニー)
●演奏
片桐聖子(オルガン*1,2,9-12)
水谷元(オーボエ*3-8),遠藤文江(クラリネット*3-8),柳浦慎史(ファゴット*3-8)

Review by管理人hs
毎月中旬頃,石川県立音楽堂コンサートホールでパイプ・オルガンを使って行われているランチタイムコンサートもこの日で20回目になります。平日のお昼休みに行われる時は,行きたくても行けないのですが,この日は,日曜日というで家族で出掛けてきました(午前中まで音楽堂で用事があったので,ついでに出掛けてきました)。

この演奏会に行くのは初めてだったのですが,「入場料500円」「ドリンク付き」というお得感もあり,結構賑わっていました。この日は,午前中邦楽ホールでも何かイベントがあったようですが,我が家も含めて,「何かのついでに」「ちょっと時間が余ったので」という人がかなり入っていたようです。

プログラムは,パイプオルガン独奏のステージの間にOEK団員による室内楽が挟まれる形でした。オルガンの片桐さんがオルガン・ステージに登場すると照明がスポットライトになり,オルガン付近が美しくライトアップされました。その中にオルガンの音が壮大に響くと今までの日常空間とは全然別の世界に連れて行かれた気分になります。

この日演奏された曲は,定番のバッハからオペラの編曲,SMAPの曲,日本の唱歌と非常に多彩でしたが,オルガンという楽器の持つ,気高さ,透明感,スケール感を壊すことが無く,違和感なく聞くことができました。いちばん印象に残ったのは,最後に演奏されたアランの連祷という曲でした。アランというのは,有名なオルガン奏者のマリー=クレール・アランの兄(戦争で若くして亡くなったそうです)で,非常に荘厳な雰囲気がありました。その中に現代的な雰囲気があり,聞き応えがありました。

OEK団員による室内楽の方は,昨晩,アートホールで聞いたばかりのファゴットの柳浦さん,オーボエの水谷さん,クラリネットの遠藤さんが登場しました。リードの付いた管楽器のトリオ(トリオ・ダンシュ)ということで,基本的には同じ音の出し方であるパイプオルガンとの相性もとても良いと思いました。パイプ・オルガンの強い音に比べるとより軽く,脱力したような響きを楽しむことができました。

この日は,ホール内にテレビカメラが入っていたので,何の取材かな,と思っていたのですが,テレビ東京系の「出没!アドマチック天国」という番組の収録だったようです。金沢の新名所として石川県立音楽堂が紹介されるようです。(2003/01/26)