芸文協コンサート「春を呼ぶ」ホルンの調べ
OEKホルン奏者金星眞とその仲間達
2003/03/28 北國新聞会館「杜」
ベートーヴェン/ホルン・ソナタ〜第1楽章
シューマン/アダージョとアレグロ
キルヒナー/オルフェの嘆き
ワイルダー/組曲
シュティーグラー/聖フーベルト・ミサより
●演奏
金星眞,安土真弓,笠間芙美,大橋望,松永みなみ(ホルン),下田望(ピアノ)
*プログラム及び演奏者名は公演チラシを基に作成*

Review by七尾の住人さん
初めて北国新聞会館「杜」で行われているこのシリーズのコンサートへ行って来ました。

今まで行きたくても今ひとつ気が乗らず行かなかったのですが、今回はナチュラルホルンの演奏が聴かれるとあって、どうしても行きたくなったわけです。ナチュラルホルンとは、昔のホルンでバルブもピストンもついていなく、普通に吹けば倍音しかでない楽器です。ですから音階を奏でるには右手を動かし、ゲシュトップ(かな?)で音程を変えていきます。金星さんはベルを観客の方に向け、その様子をしっかりと見せてくれました。

ナチュラルホルンは、ただ管を巻いてあるだけですから素直な音が出るんですが、ゲシュトップで音程を出さなければいけない所はどうしても音色が変わるので、色々な曲を奏でられる今のホルンの素晴らしさが改めて分かりました(ナチュラルホルンも管を変えれば普通に吹いて出る音階も変わるのですが、一つの楽器では辛いものがありますよね。ナチュラルホルン時代の曲の中に、何人かいるホルン奏者にそれぞれ違う調のナチュラルホルンを指定して、それぞれに普通に出る音だけだしてもらい交代しながら吹くと音階ができるという作曲をした人がいますが・・・)

金星さんのソロもたっぷり楽しめ、またお弟子さん達とのハーモニーたっぷりのホルンアンサンブルも楽しめ、とてもよかったです。行った人は分かると思いますが「杜」でのコンサートは雰囲気が堅苦しいものではなく、アットホームな感覚が漂うものですから、演奏者との心理的な距離ももの凄く近く感じてなかなかいいコンサート企画ですよね。

おまけにドリンク付きとなっていて飲み物だけではなく、サンドウィッチやパスタやお菓子といった具合に軽い食事までできてしまう所は非常にびっくりしました。私はコンサート前と休憩の時に、ここぞとばかりたっぷりと食べました。こんなにコンサートも楽しめ、おまけに食べ物まで出てくるわけですから、今まで行かなかったのが非常にもったいなく感じてきました。これからは、この芸文協のコンサートの方にもどんどん顔を出していきたいと思います。
(2003/03/30)