親子のためのわいわい!クラシック 2003/07/13 石川県立音楽堂コンサートホール 第1部:この曲,知ってる? 1)エルガー(黒瀬恵編曲)/威風堂々第1番 2)久石譲/映画「天空の城ラピュタ」〜「君をのせて」 3)久石譲/映画「天空の城ラピュタ」〜「ねこバス」 4)ヴェルディ(近衛編曲)/歌劇「アイーダ」〜凱旋行進曲 第2部:みんなで一緒に歌おうよ 5)青島広志/11ぴきのネコ〜雲においつけ 6)フランス民謡/おほしさま 7)槙原敬之/世界にひとつだけの花 8)小学唱歌/海 9)いずみたく/手のひらを太陽に 10)宇野誠一郎/ひょっこりひょうたん島 ●演奏 黒瀬恵(オルガン*1-4,8-10),寄島昭生(トランペット*2-4,10) 篠原陽子指揮オーケストラ・アンサンブル金沢エンジェル・コーラス(5-10),清水志津(ピアノ*5-7)
会場は,石川県立音楽堂のコンサートホールでした。小さい時から,この本格的なホールに入ることができるのは大変良いことだと思います。天井の反射板の辺りに音符の形の照明が映されていたり,オルガンステージのあたりにひまわりの飾りがあったりと子供向けの雰囲気もうまく作られていました。子供は結構こういう細かい装飾を目ざとく見つけるので演奏会を退屈させないためには良いアイデアだと思いました。 コンサートは2部に分かれていました。前半はパイプオルガンのステージで演奏されました。パイプオルガンは,高い場所にあるので,子供たちも見やすかったのではないかと思います。パイプオルガンの黒瀬さんのトークの後,威風堂々第1番が演奏されました。今回は有名な中間部だけを演奏していましたが,この部分はアニメの「あたしんち」のテーマとしても使われているので導入曲としては良かったと思いました。演奏を聞きながら「きーてきて,あたしんち,きてきてあたしんち」と歌っていた子供もいたかもしれません。 続いて,トランペットの寄島さんが加わって,宮崎駿アニメの中から2曲演奏されました。子供向けの演奏会では「トトロ」の中の「さんぽ」が定番なのですが,こればっかりというのも芸がないので,今後も今回のような選曲をしていった欲しいと思いました。演奏されたお2人とも鮮やかなオレンジ色のシャツを着てこられ,見た目にも楽しい雰囲気でした。「トトロ」の中の「ねこバス」という曲はトランペットのスタッカートで演奏すると,何となくジャズっぽい感じがして,いい雰囲気がありました。 前半最後は,アイーダの凱旋行進曲でした。お客さんも一緒に足踏みしましょうというアイデアでした。演奏が始まると,譜面をめくる担当の人がステージの上で足踏みのデモンストレーションを始めたのは意外な展開でしたが,そのお陰で会場のお客さんは喜んで足踏みをしていました。 この曲が終わると,天井の音符の模様が虹色に変り,通常のステージの方にエンジェル・コーラスの子供たちが「わーっ」という感じで入ってきました。この辺のステージ転換のスムーズさは素晴らしいと思いました。まず,合唱団員が体を左右に動かしながら,「雲においつけ」という輪唱の曲を歌いました。この曲はエンジェル・コーラスの得意な曲です。続いて,キラキラ星として知られている「おほしさま」を,やはり輪唱で歌ったあと,もう一度会場のお客さんと一緒に歌いました。簡単なフリも付いており,最後は手をキラキラさせて終わる曲で,単純だけれども見た目にも綺麗な曲でした。 その後,SMAPの「世界にひとつだけの花」が歌われました。この曲以降はステージの両サイドに歌詞が出ていましたので,一緒に歌えるようになっていました。この曲もフリ(手話?)がついていました。この曲が今年のヒット曲だということは知っていたのですが,歌詞をじっくり読むのは初めてでした。子育て中の親が読むと結構感動するような内容だと思いました。これからもずっと歌われていく曲となりそうです。 この後,再度パイプオルガンの黒瀬さんが登場し,パイプオルガン伴奏+児童合唱となりました。「うみ」「手のひらを太陽に」を一緒に歌った後,トリの曲として「ひょっこりひょうたん島」が歌われました。この曲ではトランペットの寄島さんも加わっていましたので,全出演者が揃ったことになります。最後の曲ということで,途中,エンジェルコーラスの子供たちの短いセリフが入ったり,掛け声が入ったりと少し凝ったアレンジになっていました。合唱の声は,1階席だと音が上の方に抜けていくようで,ちょっと聞こえにくかったのですが,全員バンダナを頭に巻いてきていたので,この曲のムードにはぴったりでした。子供向けのコンサートに子供が演奏者として登場するのはとても良いと思います。きっとこのステージを見て,合唱をやってみたくなった子供も増えたのではないかと思います。 今回の演奏会は,ゼロ歳以上が対象ということで,エンジェルコーラスでさえ「おにいさん,おねえさん」と呼ばれていました。まわりを見ると,我が家の子供が年長な方でしたが,それでも十分に楽しんでいました。全体の進行や雰囲気作りも含め,気楽に楽しめる良い演奏会でした。(2003/07/13) |