第6回芸文協・音楽堂コンサート「オルガンとチェロの饗宴」
井上圭子&長谷川陽子ジョイントコンサート
2003/07/27 石川県立音楽堂コンサートホール」
1)サルベンポール/哀歌
2)ヴィヴァルディ(バッハ編曲)/協奏曲ニ短調,BWV.596[Organ] (ヴィヴァルディの「調和の霊感」のオルガン用に編曲したもの)
3)グノー/アヴェ・マリア
4)ゴダール/ジョスランの子守歌
5)フランク/コラール第3番イ短調
6)ブルッフ/コル・ニドライ
7)カサド/無伴奏チェロ組曲
8)ハキム/恋しい人(オルガンのための交響組曲)
9)フレスコバルデイ(カサド編曲)/トッカ−タ
10)(アンコール)バッハ,J.S./管弦楽組曲第3番〜アリア
●演奏
井上圭子(オルガン*1-6,8-10),長谷川陽子(チェロ*3-4,6-7,9-10)

※演奏曲目の情報はtakaさん提供

Review by takaさん
遅くなりましたが、2003年7月27日日曜日の第6回 芸文協・音楽堂コンサート「オルガンとチェロの饗宴」井上圭子&長谷川陽子ジョイントコンサートの報告と感想です。

いつも感じることですが、やはりコンサートホールでのオルガンの音は柔らかく響きますね。

フランクのコラール第3番イ短調はオルガンの音色の変化が楽しい曲で、楽器の女王の風格をたっぷりと味わうことができました。デュオで演奏したブルッフのコル・ニドライは厳格で宗教的な雰囲気の曲。聴く人にストーリーを感じさせる構成となっています。チェロの甘く悲しい音がオルガンに支えられ、終末部はどちらの楽器もうっとりとさせた音のまま静寂の中に吸い込まれる様に終わりました。しばらく沈黙の時間が続き、まばらな拍手がやがて大きな拍手に変わると、二人は「してやったり」と云うような笑みを交わしていました。

カサドの無伴奏チェロ組曲はやはり印象深い曲です。とくに、この日の座席は前から三列目で、演奏者のすべての表情が見て取ました。第二楽章の演奏中は表情の変化に合わせて音色が変わり、これに見入る様に聴いていましたが、第三楽章に入ると、演奏者の目つきががらりと厳しいものに変わりました。佳境に入ると足まで踏み鳴らして演奏し、この第三楽章がいかに難物か想像できるなかなかの熱演でした。

ハキムによる「恋しい人」(オルガンのための交響組曲: 恋い慕う人が見つかった/私たちの喜びと楽しみ/恋しい人よ、来てください/影が闇にまぎれる前に/姿はレバノンの山、杉のような若者/火花を散らして燃える炎/ごらん、恋しい人が山を越え、丘を跳んでやって来る)は勿論初めて聴くものでした。非常に変化に富んだ曲で、全体を斬新さが包み、オルガン音楽の新しい風を感じることができました。ちょっと嬉しくなるような発見でした。

詳細は第145回定期演奏会の感想と同様に私のHPに掲載してありますので、興味とお時間のある方はおいでください。(2003/08/03)