オーケストラアンサンブル金沢 東京公演
2003/09/21 東京オペラシティコンサートホール

1)ベートーヴェン/交響曲第3番変ホ長調,op.55「英雄」
2)バーンスタイン/セレナード:プラトン「饗宴」による
3)西村朗/鳥のヘテロフォニー
4)(アンコール)古関裕而(鈴木行一編曲)/六甲おろし
●演奏
岩城宏之指揮オーケストラ・アンサンブル金沢(マイケル・ダウス(コンサート・マスター))
川久保賜紀(ヴァイオリン*2)
Review byきのっぴさん
OEK東京公演のアンコールも大阪と同じく「六甲おろし」でした。ダウスさんがヴァイオリン協奏曲のカデンツァみたいなフレーズを弾きはじめるので何がはじまるのかと思ったら!!!!編曲者は なんと、シューベルト「冬の旅」を編曲している鈴木行一さんとのことです。

Gファンとしては苦虫を千匹ほど噛み潰したような表情で、ウデ組みして聴くしかありませんでしたが(苦笑)、場内は思いっきり盛り上がってました。なぜ??? トラファンが多かったんだろうか。

何はともあれ、岩城さんらしい楽しい演出だったと思います。それにしても、オペラシティに「六甲おろし」が響き渡るのは、これが最初で最後かもしれませんね。(2003/09/23)

Review byたいこのひろちゃん
会場のオペラシティコンサートホールには、超満員とはいかないまでも、大勢の人が聞きにきていました。

岩城宏之が指揮をする「英雄」は久しぶりに聞いたような気がします。幾分テンポが早めのように感じましたが、2楽章はゆったりとしたテンポで、トータルとしては45分くらいの演奏時間でした。少し前に発売された金聖響指揮の「英雄」とは全く異なり、オーソドックスでカチッと引き締まった演奏でした。今回の演奏会の前日にN響(飯森範親指揮マーラー交響曲第1番「巨人」)のような大編成の演奏を聞いた後でしたが、小編成ならではのクリアなアンサンブルが聞けました。

2曲目は川久保賜紀のソロが入って、バーンスタインのセレナードでした。いきなりヴァイオリンソロから入ってぞくっとしました(使用楽器はストラディバリの「カテドラル」)。この曲には、ティンパニと5人の打楽器奏者(合計6人の打楽器)が入りますが、たいこたたきとしてはかなり面白く聞かせてもらいました。ソロの川久保賜紀はのりのりの演奏で、自分が弾いていないときも体を左右に揺り動かしていました。またチェロのカンタさんとのデュエット部分では本当に美しい音でした。

最後は西村朗の「鳥のヘテロフィニー」でした。私自身久しぶりの現代曲でしたが、大変面白かったです。鳥のさえずりが、弦楽器や管楽器であちこちから聞こえてくる中で、トムのたたくティンパニと渡邉先生が演奏するビブラフォンが効果的に入ってきて、一気に私をひきつけてくれました。途中にビブラフォンなどを弦楽器の弓でこするところや、スチールドラムなども入って、最後は賑やかに終わりました。盛大な拍手の中、作曲者の西村朗も舞台に上がって拍手を受けていました。

アンコールはコンサートマスターの独奏が入ってどこかで聞いたことのあるメロ
ディー(残念ながらいまだに思い出せません)を弾いているうちに、いつのまにか「六甲おろし」のメロディーになっていました。会場は手拍子で大盛り上がりで、途中でトランペットの谷津さんが、上着を脱いで何を始めるかと思っていると、タイガースのはっぴを着てトランペットを吹いて会場の喝采を浴びていました。本当に楽しい演奏会でした。(2003/09/26)