サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団来日公演2003 2003/10/15 石川県立音楽堂コンサートホール チャイコフスキー/交響曲第4番ヘ短調,op.36 ムソルグスキー(ラヴェル編曲)/組曲「展覧会の絵」 (アンコール)チャイコフスキー/バレエ組曲「くるみ割り人形」〜あし笛の踊り (アンコール)チャイコフスキー/バレエ組曲「くるみ割り人形」〜トレパック ●演奏 ユーリー・テミルカーノフ指揮サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団
音は期待したようにロシア的。特に金管楽器の音はいかにもと言った様な音でした。ただ、想像していたほど泥臭くはなく、弦の音に至ってはどちらかと云うとヨーロッパ風に洗練された音に感じました。 こんなオーケストラが堂々としてたっぷりと聞かせるチャイコフスキーの第四番は、我々の国の我々の音楽と云う様な自負と余裕が現れた演奏のように聴こえました。 残念だったのは演奏の最中に(三階だけだったようですが)主催新聞社の腕章をつけた会場係が、遅れたお客さんを次々に誘導して席に入れていたことです。このために第一楽章と第二楽章は音楽に集中できませんでした。案内するほうもされるほうも明らかなマナー違反だと思うのですが・・・ 展覧会の絵は、冒頭のトランペットによるプロムナードの主題からちょっとびっくりしました。レガートではなく、軽くアタックしているように聴こえたからです。それ以降も様々な音の処理に工夫が凝らされていたようです。 曲が進むと、ぞぞれの曲(絵?)毎に色が変わるばかりでなく、絵のタッチの違いさえも表現するかのように非常に細かく音の表情が変わります。これはテミルカーノフさんの手の表情の豊かさにも表われていました。 指揮棒を持たない指揮者は、しなやかな身体以上に手の動きが雄弁でした。三階の奥の席からでも分かるほどの優雅な手さばきは、その手が紡ぎだす音の中に泳いでいるようで、思わず見とれてしまいました。 アンコールの演奏には思わず気分がウキウキしました。なかなか粋な選曲だったと思います。(2003/10/20) |