オーケストラ・アンサンブル金沢第149回定期公演F
2003/10/25〜26 石川県立音楽堂コンサートホール
*25日の公演が定期公演で,26日の公演が一般向け公演

チャイコフスキー/バレエ「白鳥の湖」
●演奏
ルドルフ・ヴェルテン指揮オーケストラ・アンサンブル金沢(コンサート・ミストレス:アビゲイル・ヤング)
演出:ベン・ヴァン・コウヴェンベルグ,演出助手:トム・ヴァン・コウヴェンベルグ,バレエ・ミストレス:ヴィヴィアン・ロエバ,ドイツ・ヴィースバーデン歌劇場バレエ団ソリスト,音楽堂特別編成バレエ団(音楽堂バレエ・ミストレス:川内幾子),舞台監督:黒柳和夫,舞台・照明:金沢舞台
【配役】
イレーナ・ヴェテロヴァ(オディット,オディール),ラース・ヴァン・コウヴェンベルク(王子),トム・ヴァン・コウヴェンベルグ(ロットバルト),川地幾子(王妃),李健(式典長)

パ・ド・トロワ(第1幕):中川恵梨香,三村佳美,アリエル・ロドリゲス
二羽の白鳥(第2幕):橋爪美香,前田加奈子
四羽の白鳥(第2幕):喜多朝菜,疋津成美,平田胡桃,辺本萌
ハンガリーの踊り(第3幕):前田加奈子,スタイン・スナイェルス 他
スペインの踊り(第3幕):旭若菜,カズベック・アクメデヤロフ
ナポリの踊り(第3幕):内井美穂,中川恵梨香,アリエル・ロドリゲス
ポーランドの踊り(第3幕):三村佳美,マレック・トゥマ,殊才真実,山下恵,エルヴィス・ヴァル
ロシアの踊り(第3幕):カロリーナ・ヴィヴェット,アレキサンダー・モナホフ 他

Review by 管理人hs みやっちさんの感想takaさんの感想七尾の住人さんの感想
オーケストラ・アンサンブル金沢は毎年1,2回のペースでオペラやバレエの上演を行っていますが,今年は,バレエの代名詞である「白鳥の湖」を上演しました。緞帳などのないコンサート専用ホールでの上演ということで,どうやって上演するのか気になったのですが,舞台装置や照明を工夫し,通常のバレエ公演とほとんど同じ形で上演されていました。オーケストラは,客席前半を取っ払った場所に入っていました。その分,通常のオーケストラピットに入る場合よりは,音がかなりよく聞こえていたのではないかと思います。ただし,深いピットではなく,ステージも低いので,ダンサーの足元が非常に見難くなっていました。これは,コンサートホールでの上演での限界でしょう。

公演の方は大満足でした。ヴィースバーデン歌劇場の専属ダンサーと地元のバレエスクール関係者との共演という形は,リハーサルなどの点で大変だったと思うのですが,違和感なく楽しむことができました。主役クラスのダンサーがストーリー展開の核を作り,地元ダンサーの方は,ストーリーの枝葉の部分で楽しませてくれる,という遠近感のある構成でした。ルドルフ・ヴェルテンさんとOEKの作る音楽は,ドラマ全体の流れを音楽で雄弁に伝えており,第4幕の終曲の盛り上がりは感動的でした。

生のバレエを生のオーケストラ伴奏付きで見るのは,2回目の経験です。「白鳥の湖」を生で見るのは初めてだったのですが,バレエというのは非常に面白いものだと感じました。オペラとは違って,ダンサーの肉体的な動きと音楽とが合わさってダイレクトに観客の五感に迫って来ます。”言語”というモード抜きに,ドラマが体全体に直接的に入っていくようなところがあります。もっとも本能的かつ洗練された娯楽なのではないか,という気がしました。

まず,舞台について説明をしておきましょう。パイプオルガンがドーンと正面に付いているコンサートホールでの上演ということだったのですが,そのパイプオルガンを含めてホールの奥の壁面全体を白いスクリーンで覆っていました。天井の反響板もいちばん上まで上げていましたので,ステージの上には非常に高く広い空間ができていました。音楽堂のステージの幅はそれほど広くないのですが,この天井までの”白い空間”が,バレエ全体のスケール感を作るのに役立っていました。

この壁面のスクリーンには,場面ごとに宮廷の雰囲気を伝える映像が投影されたり,湖の映像が映されたりと効果的に使われていました。スクリーンは半透明なので,第3幕以降のクライマックスでは,非常に効果的に使われていたのですが,これは後で説明しましょう。

舞台の両袖には宮廷の雰囲気を表す,大道具があり,ダンサーの出入りをカモフラージュするような感じになっていました。湖のシーンでもこの宮廷のセットが置いてあったのですが,今回のバレエ全体の構成は,第2幕以降を王子の夢という設定にしていたようで,そういう意味では理に適っていたのかもしれません。

オーケストラの方は先に書いたとおり,客席前方の座席の位置に入っていました。そのため客席最前列の入口からオーケストラの方々は入っていました。オーケストラの配置は,この”仮設ピット”の中でもいつものヴェルテンさん好みの配置でした。つまり,第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリンは対向配置で,コントラバスが下手側,ティンパニが上手側に来ていました。

今回の上演は,第1幕・第2幕を1つにまとめて上演しその後に休憩,第3幕の後に2回目の休憩,という形になっていました。完全な上演ではなく,かなり省略がありましたが,私はこの形の方が見やすいと思いました。第1幕は「パ・ド・トロワ(3人の踊り)」の後,脇役の出てくる踊りが省略されており,また「乾杯の踊り」の後,いきなり第2幕の湖のシーンに飛んでいました。通常は,第1幕の最後で湖に向かうようなシーンが入って休憩になるのですが,それがありませんでした。このことは,プログラムに書いてあったとおり,「以下は王子の夢の中での出来事」ということを暗示していたようです。これを知らずに見た人は違和感を感じたかもしれませんが,ドラマの展開はとてもスピーディになり,見やすくなっていました。第3幕も脇役のシーンが省略されていたようでしたが,そのことによって,6人の王女候補が順に出てくる,というストーリーがとてもシンプルに分かりやすくなっていました。第4幕は,そのまま上演されていたようです。

まず,第1幕ですが,舞台が暗いまま,序奏の音楽が入ってきます。透明感のある弦楽器とオーボエの響きが印象的でした。その後,宮廷の場を表す音楽になり,有名なワルツになります。私は,こういう「ゴージャスな音楽に乗って皆で楽しく踊る」みたいなシーンが非常に好きです。見ているだけで幸福感を感じます。音楽堂の舞台は狭いので踊り方には工夫が必要だったしれませんが,このシーンを見ただけでバレエを見ているというムードが一気に盛り上がりました。バレエ音楽というと,機械的なリズムという先入観を持っていたのですが,さすがにヴェルテンさんとOEKのリズムはとても生き生きとしていました。

続く,パ・ド・トロワは,王子の友人と村娘たちの踊りです。王子の友人の方はヴィースバーデン歌劇場のダンサー,村娘の方は金沢のダンサーでした。開演直後の硬さがあったのか,ちょっとしたアクシデントがありましたが,こういうダンサー同士の交流というのは,特に地元の方にとっては意義のあることだったのではないかと思いました。

その後の「乾杯の踊り」が終わると,有名なオーボエのメロディが始まり,第2幕の湖のシーンに入っていきます。このオーボエのメロディは「白鳥のテーマ」ということで,バレエの中で再三出てきます。今回は,加納さんが演奏されていたようですが,とても滑らかで上質な音ででした。

第2幕では水色っぽい照明になり,地元ダンサーによる白鳥たちが続々と入ってきます。かなり小柄な白鳥もいました。音楽堂のステージは狭いのでその点では良かったかもしれませんが,さすがにコール・ド・バレエ(群舞)は”千手観音”という感じで,ごちゃごちゃした感じに見えました。私は1階の最後列近くから見ていたのですが,むしろ2,3階から見下ろす形の方が全体のフォーメーションの動きを見るには良かったのかもしれません。

この場面で,ようやくオデット役のイレーナ・ヴェテロヴァさんが登場します。かなり小柄な方のように見えました。大変可憐で軽やかな踊りでした。王子役のラース・ヴァン・コウヴェンベルクさんとの息もぴったりでした(今回は,演出者もロットバルト役も全部”コウヴェンベルク”という姓でしたが,一族なのでしょうか?)。有名な「グラン・アダージョ」は,大きな見せ場ですが,音楽のテンポもたっぷりとしており,じっくりと見せてくれました。この音楽を含めダンスシーンでの音楽は通常CDで聞くテンポよりも遅めのテンポになることが多かったようです。逆に言うと音楽鑑賞用CDに合わせて実際に踊るのは難しい,ということも言えそうです。

この「グラン・アダージョ」では,アビゲイル・ヤングさんの独奏ヴァイオリンも見事でした。非常にコクのある音色で,息の長い音楽とあいまって,ロマンティックなムードをぐっと盛り上げていました。後半では大澤さんのチェロも加わり,ますます良いムードになって行きました。この部分では,やはりもう少しステージが広く,コール・ド・バレエとの遠近感がある方が主役2人が引き立った気はしましたが,めったに見られない美しいものを見せていただいた,という感じでした。

その後の「4羽の白鳥の踊り」も楽しみの一つでした。コール・ド・バレエ全体がモーニング娘。とすると,この4羽はまさに「ミニモニ」という感じで,前曲の大人のムードと比べると対照的に顔がほころぶような感じでした。前の曲が終わったあと,舞台奥に4人の小白鳥が入ってきて,パっと手を組むと,ファゴットが「ポッポッポッポッ」とリズムを刻みはじめ,ユーモラスな踊りを始める,という一連の流れは本当に面白いですね。チャイコフスキーも巧いこと曲を並べるものだと思いました。技巧的にはとても難しいと思うのですが,それを感じさせず平然と踊っていたのがとても良かったと思いました。

第2幕のフィナーレ付近で,オデットが蝿のように(変な表現ですみません)足を細かく動かす部分のある曲になりますが,こういう部分もも本当にバレエらしい気分に溢れていました。その後,最初の情景の音楽が戻ってきて,静かに暗転し,第2幕が終わります。

第3幕では,ステージ上にシャンデリアが降りてきていました。「花嫁選び」の場になります。この場の前半はドラマの進行上,あまり重要な意味はなく,CDなどで聞く分には退屈しがちなシーンなのですが(バレエ音楽全曲をCDで聞くこと自体難しいことですが),実際に見てみると,ものすごく楽しめました。そのまま「ガラ・コンサート」という感じでした。やはり,こういうゴージャスなバレエにはディヴェルティスマンは欠かせないと思いました。

この場の照明は,前幕が水色っぽかったのに対し,暖色系等の色合いがありました。衣装の方も赤やら茶色やら,民族衣装が続々と出てきました。基本的には,各国代表の花嫁候補がファンファーレに先導されて登場し,各国の踊りを披露する,という構成になっていました。オリジナルはファンファーレがいちいち出てこなかったと思うのですが,この形の方が分かりやすかったと思います。

この民族舞踊の中では,やはりヴィースバーデンのダンサー2人よる「ロシアの踊り」が良かったと思いました。地元のダンサーの踊りよりもキレの良さがあると感じました。また,この民族舞踊の部分ではOEKのリズムのキレの良さも光っていました。「ナポリの踊り」は,コルネットで演奏される曲ですが(楽器はよく見えませんでしたが),その柔らかく明るい音色はとても魅力的でした。藤井さんが担当されていたようでした。その他の曲も親しみやすい曲ばかりで,「くるみ割り人形」の組曲を聞くように楽しめました。

この一連のダンスの後,オディール(黒鳥)が登場します。王子はオデットとオディールを見間違ってしまい,婚約をしてしまうという大きな過ちをしてしまうのすが...同じダンサーが演じているので仕方がないところもあります(これを言っては見も蓋もありませんが)。それと,やはり男性は黒い服に弱いところがありますね(「喪服を着た女性は美しく見える」というのと同じ心理?)。何はともあれ,王子とオディールのパ・ド・ドゥになるのですが,この踊りも大変楽しめるものでした。第2幕での「グラン・アダージョ」とうまく対になっていました。

この部分で,背景のスクリーンが巧く使われていました。オディールと踊っている背後で,パっとスクリーンに照明が当てられ,オデットが例の「白鳥の手つき」で踊っているのが浮き上がって出てくるのです。オデットはパイプオルガン・ステージで踊っていましたので,上の方に白鳥,下の方に黒鳥という見事な対比を作っていました。音楽堂ならではの演出でした。この時,同時にパイプオルガンの管も浮き上がるのですが,このことも豪華な雰囲気を盛り上げていました。

それぞれ,ソロでヴァリアシオンを踊った後,コーダでは,有名な「32回転のフェッテ」が出てきます。フェッテというのは「鞭」という意味らしいのですが,軸足と反対側の足が鞭のように動き,勢いをつけているので,このように呼ばれるようです。これは,ほとんどフィギュア・スケートの世界で,アクロバティックでスポーツ的な楽しみが溢れていました。こういう場合,回転の途中に拍手をする方が,「いつもより多めに回しております(そんなわけありませんが)」という感じで盛り上がりますね。今回も途中で拍手が起こりました。黒鳥の32回転の後,王子の方も負けずに回転をするのですが,そのスピード感には圧倒されるものがありました。

その後,照明がストロボのようになり,王子が過ちを犯したことに気づき,第3幕は終わります。この幕は,本当に楽しめる幕でした。ダンス・ダンス・ダンスという感じで,第1幕・第2幕よりもさらに盛り上がり,会場の熱気もますます増してきました。

第4幕は再度,湖の場に戻ります。悲しみにくれる白鳥たちの踊りに続き,主役が揃って,一騎打ち,ということになります。この最後の盛り上がりも見事でした。チャイコフスキーの音楽自体,ぐっと来る音楽の連続なのですが,OEKの音も絶えず情熱を秘めており,聞いていて目頭が熱くなるほどでした。

最後の方は,バレエというよりはかなり演劇的な演出で,湖の波を表すステージいっぱいに広げられた大きな布の中に王子が沈んでしまう設定になっていました。音楽が昇華されるような明るい雰囲気に変わると,この布が取り払われ,オデットが白鳥の衣装ではなく,普通の衣装になって登場します。私は「白鳥の湖」を何回も見たことはないのですが,これだけハッピーエンド感の強い演出というのも少ないと思います。

オデットが最後に突如普通の衣装になって出てきた,ということは,第2〜3幕はすべて王子の夢の世界で,結婚を前をして不安な気持ちになる王子がその不安感を解消し,めでたく親から自立できる,という物語とも解釈できるかな,と思いました。

というわけで,多少カットはあったとはいえ,合計3時間があっという間に終わりました。OEKファンにとってはバレエに目を向けるきっかけに,バレエファンにとってはOEKに目を向けるきっかけになった演奏会だったと思います。地元の特別編成バレエ団の頑張りも光っていました。最後のカーテンコールの時の挨拶も格好よく決まっていました。地元のバレエ関係者にとっては,記念すべき演奏会になったのではないかと思います。

これで,OEKは2年続けてチャイコフスキーのバレエを上演したことになります。残るは「眠れる森の美女」だけです。金沢市観光会館のオーケストラ・ピットが改装されるらしいので,その改装記念公演あたりに丁度良いような気がしますが,どうでしょうか?(2003/10/26)



Review by みやっちさん
こんにちは。最近このホームページの存在を知ったOEK定期会員です。

今日初めてバレエ音楽を鑑賞しました。音楽の美しさ、楽器表現の豊かさが最初から最後まであふれていて、作曲家チャイコフスキーが生み出した旋律の美しさ、音楽性の豊かさを肌で感じました。また何度か聴いてきたシンフォニーでは体感できない音楽を伴う舞台芸術の無限の表現力に感銘を受けました。

どうしても普段からOEKの演奏を聴いているので、バレエダンサーの動きも見つつ、3階席からピット上の奏者たちの活躍ぶりに注目して聴いていました。ヤングさんのヴァイオリンソロや木管各パートのソロなどたくさん聴きどころがあって、OEKの個人能力の高さをひしひしと感じると共に、こんな美しく感情的な音色でダンサーの動きを繊細かつ優雅に引き出している感じもしました。

拍手するタイミングはメインの踊りが終わった後、頻繁に入れるもののようで、音楽を最後まで聴かせてくれと思いつつ、やはり素晴らしい踊りには拍手を入れ、それに応えるダンサーを鼓舞させて盛り上げて行かなくてはいけないのだなと思いました。

今年テレビで「サンクトペテルブルク建都300年記念ガラ」でバレエ名場面集を見て、魅力あふれるロシア物の真髄を楽しみましたが、まさに音楽堂にいながらロシアとはいかないまでもヨーロッパの劇場にいるような雰囲気に浸っていました。

第3幕では華やかな舞踏会で金管の高らかな響きを合図にいろいろな民族風の華麗な踊りが登場し、特につま先でくるくる回る技はすごかったです。第4幕では最後の湖に沈む王子の姿とそこで奏でられる終曲の情景がとてもマッチして感動的な雰囲気を作り出し、完全に舞台上の世界に引き込まれました。

実は何を勘違いしたのか開演時間を15時開演だと思い込み、最初の1,2幕を聴きのがしたのは心残りですが(2幕目のクライマックスあたりの音楽は本当に美しく、背景も青く幻想的な空間だった)、オペラよりも台詞がないぶん、音楽的表現がとても豊かに感じ至福の時間を味わうことができました。バレエダンサーも女性だけでなく男性ダンサーも活躍していたのはうれしい限りです。純粋にバレエ音楽を一度聴きたくてチケットをいつものように購入したのですが、会場に入ると女性の多い客層の違いに気恥ずかしさを少々感じてしまった20代男性の感想でした。(2003/10/26)



Review by takaさん
おはようございます。

> 今晩はOEKの白鳥の湖の第1日目に出かけてきました。

私は二日目に行ってきました。
既に書き込みがあるように、ちょっとお洒落をした小さな女の子と若いお母さん方、それにやおじいちゃんおばあちゃんも多く見かけました。この日はどうやらバレエ関係者とその家族が主だった観客だったようです。勿論、若い女性も普段より多く目につきました。

> ヴィースバーデン歌劇場のダンサーも素晴らしかったのですが,地元の特別編成バレエ団の頑張りも光っていました。

私も特別編成バレエ団の熱演に感激しました。
とても丁寧に緊張感を漂わせて踊っていて、一生懸命に踊っているそのひたむきさがこちらに直接伝わってくるような感じを受けました。

舞踏会での黒鳥と王子様のデュエットで、黒鳥の連続回転の途中から大きな拍手が起こった時には「ほう、バレエの好きな人は曲の途中でもこう云うところで拍手をするのか」と思っていましたが、これが有名な三十数回転だと云う事を後で知りました。
知らないということは、逆に随分と新しい発見があるものですね。

カーテンコールで再びあの可愛い白鳥さんたちを見たときには、熱いものが溢れてきました。
今回は、なんと言ってもこの特別編成バレエ団に拍手!!ですね。

今回の公演に対しては、私のHPの掲示板にも常連さんが感想を書き込んでくれています。
興味のある方はどうぞ。(2003/10/28)


Review by 七尾の住人さ
遅れての書き込みです。

私は1日目はどうしても抜けられない用事が入り、2日目も少々無理をして何とか聴き(見に)行く事ができました。無理をしたせいで、何とか時間ギリギリに間に合うという事になってしまいました。

そのせいで、いつもならプログラムを読む時間があるのですが、この日は全然読めず、話の筋をよく知らないままの第1幕第2幕となりました。話が分からなくとも、音楽やバレエは十分楽しむ事はできたのですが、休憩の時に解説を読むと、やっぱり前もって読んでおいた方がさらに楽しめたんだろうなと思い、時間ギリギリになった事を少し後悔しました。

この「白鳥の湖」に限らず、チャイコフスキーのバレエ音楽は、その音楽だけでもかなり有名になっていて、音楽は聴いた事があるものの実際どんなバレエが繰り広げられるのか全く知らないでいました。特に驚いたのは、あの「情景」の時に悪玉(?)が登場する事です。確かに音楽も少々おどろおどろしい音楽になっていて、「へぇ〜」って感じでした。

音楽堂のコンサートホールでのバレエはステージや急造のオーケストラピットなど不向きな所もあるのですが、それはいろいろな演出の工夫によって補って十分有り余るものだったと思います。管理人さんも書いておられますが、パイプオルガンとそのオルガンの舞台がとても効果的に使われていて、思わぬ効果をもたらしていたような気がします。昨年の「トスカ」といい、工夫次第で十分楽しめるものになるのですね。

最後に、時間が経って思いつくままに書き込んでいるので、全然脈絡のない文章になっていますが、今回の「白鳥の湖」は何と言っても第4幕が圧巻でした。あまりの感動で声をあげて泣きそうになるのをなんとか押さえていました。(2003/11/09)