午後6時の音楽会Vo.18
石川県ジュニアオーケストラ,OEKエンジェルコーラス
2003/11/29 石川県立音楽堂交流ホール
1)スッペ/喜歌劇「軽騎兵」序曲
2)エルガー/行進曲「威風堂々」第1番
3)久石譲:組曲「となりのトトロ」〜さんぽ,となりのトトロ
4)チャーチル(榊原栄編曲)/ハイホーマーチ
5)木村弓(榊原栄編曲)/いつも何度でも
6)榊原栄編曲/カントリー・ロード
7)(アンコール)スパークス(榊原栄編曲)/グリーン・グリーン
●演奏
寄島昭生指揮石川県ジュニア・オーケストラ,OEKエンジェル・コーラス(4-7)
Review by 管理人hs
音楽堂の入口にいた巨大雪だるまとツリーです。
私はこの辺の角度から見ていました。

演奏の途中からこの窓からのぞいている"お客さん"が増えてきました。交流ホールにしてはかなりの人数がステージに乗っていました。

この日は午後7時からエマニュエル・パユとベルリン・バロック・ゾリステンの演奏会が石川県立音楽堂コンサートホールで行われ聞きに行ってきました。それに先だって「午後6時の音楽会」が地下の交流ホールで行われました。「この際」と思い,あらかじめ入場整理券を用意しておき,家族で出かけることにしました(パユの方は私一人で出掛けましたが)。

今回の「午後6時の音楽会」には,石川県ジュニア・オーケストラとOEKエンジェル・コーラスが登場しました。どちらもオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)関連の団体で,県内の子供たちが学校を超えて参加しています。というわけで,その父兄と思われるお客さんで会場はいっぱいでした。

過去,ジュニア・オーケストラとエンジェル・コーラスはジョイント・コンサートの中で共演しているのですが,この2つの団体だけによる演奏会というのは初めてのことかもしれません。今回はどちらかというと,ジュニア・オーケストラ中心のプログラムとなっていました。

まず,最初に「軽騎兵」序曲と行進曲「威風堂々」第1番が演奏されました。この2曲は8月末に行われた岩城宏之さん指揮のジョイント・コンサートでも演奏されており,今年2回目の演奏ということになります。この日演奏された曲は,すべて再演の曲ばかりで新鮮味はなかったのですが,アマチュアの団体には仕方のないことかもしれません。

それでも,ハープやチューバなども含む編成を間近で聞くのは迫力がありました。交流ホールは,ステージと客席が近く,音がダイレクトに伝わりますので,「軽騎兵」序曲などでは管楽器などの粗が目立ってしまいましたが,堂々とした迫力は十分に伝わってきました。私は打楽器のすぐそばで見ていたのですが,子供たちが真剣なまなざしで演奏しているのもとても印象的でした。

次の「となりのトトロ」の曲も,子供向けの演奏会の定番ですが,今回の演奏は,ブリテンの作った「青少年のための管弦楽入門」と似た構成になっていたのが特徴でした。楽器の説明をするナレーションに合わせて,管楽器,弦楽器,打楽器とパートごとに演奏をおこなった後,全体で演奏する形になっていました。このホールの座席はフラットな形で,小さな子供が座席に座っているとステージが良く見えないところがありますので,カメラで撮影して,演奏している楽器をモニターに映してもらえるともっと楽しめたと思いました(カメラで撮影していたのでモニターに出てくるのかな,と思ったのですが)。

後半はエンジェル・コーラスとの共演になりました。こちらの曲も過去の演奏会で聞いたことのある曲ばかりでした。こちらの方はシンプルな曲が多く,エンジェル・コーラスの素直な声を楽しめました。歌詞もよく聞えました。中では「いつも何度でも」の優しい声が曲想にいちばんよく合っていると思いました。

最後にアンコールとしてグリーン・グリーンが演奏され,丁度45分ぐらいとなりました。演奏の途中からは,交流ホールの上の方の窓からのぞき込むお客さんも増え(下から楽しげな音が聞えて来るというのは気になるものですね),演奏会を待つお客さんにとっても,丁度良い”プレコンサート”になったと思います。(2003/11/30)