カウントダウン・コンサート2003〜2004
2003/12/31 石川県立音楽堂コンサートホール
第1部
1)ニコライ/歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲
2)シュトラウス,J.U/喜歌劇「こうもり」〜オルロフスキーのアリア
3)シュトラウス,J.U/喜歌劇「こうもり」〜チャルダーシュ
4)ロッシーニ/歌劇「セヴィリアの理髪師」〜バジリオのアリア「陰口はそよ風のように」
5)ビゼー/歌劇「カルメン」〜恋は野の鳥(ハバネラ)
6)ヴェルディ/歌劇「アイーダ」〜清きアイーダ
7)ショパン/アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズop.22
8)ルイージ/セレソローサ
9)(アンコール)ルロイ・アンダーソン/トランペット吹きの休日
10)渡辺俊幸/交響的幻想曲「能登」
11)渡辺俊幸/NHK大河ドラマ「利家とまつ」〜メインテーマ「颯流」

第2部
12)シュトラウス,J.U/喜歌劇「こうもり」序曲
13)サラサーテ/カルメン幻想曲
14)千住明/NHKドラマ「ほんまもん」〜テーマ曲「君を信じて」
15)渡辺俊幸編曲/蘇州夜曲
16)渡辺俊幸編曲/夜来香

カウントダウン

17)シュトラウス,J.U/喜歌劇「こうもり」〜シャンパンの歌
18)ヴェルディ/歌劇「トロヴァトーレ」〜我らの山へ
19)カールマン/歌劇「マリッツァ伯爵令嬢」〜バラスディンに行こうよ
20)ヴェルディ/歌劇「椿姫」〜乾杯の歌
21)鈴木行一編曲/宵待草
22)古関祐而(鈴木行一編曲)/六甲おろし
23)鈴木行一編曲/私を野球に連れてって!
24)槇原敬之(鈴木行一編曲)/世界に一つだけの花
25)(アンコール)エルガー/威風堂々第1番

●演奏
ジャン=ルイ・フォレスティエ;渡辺俊幸指揮オーケストラ・アンサンブル金沢
中西富美枝(メゾソプラノ*2,19),サーニャ・ケルケス(ソプラノ*3),イワン・トマセフ(バリトン*4,19),鳥木弥生(メゾソプラノ*5,18,23),ダニエル・マグダル(テノール*6,18),李広宏(歌*15,16,21)
宮谷理香(ピアノ*7),ジェフリー・ペイン(トランペット*8),ジェフリー・ペイン,谷津謙一他全3名(トランペット*9),谷津謙一(トランペット*22),千住真理子(ヴァイオリン*13,14)
司会:渡辺俊幸,宮谷理香

Review by 七尾の住人さん  
明けましておめでとうございます。

昨年は4月より仕事が大忙しになり、なかなかコンサート・レビューをかけずに過ごしてしまいました。レビューは書けずとも、いろいろなコンサートへは出かけて、11月のOEKのしらかわ公演、11月下旬〜12月中旬は、とある人のコンサートへ足を運ぶ為に4回関東へ往復いたしました。忙しい割には、コンサートへ行く時間だけは確保した、というよりコンサートへ行く為に他のものを犠牲にした、という表現が正しいかもしれません。

さて、昨日は今年が4回目(?)となるカウントダウン・コンサートへ行って来ました。OEKは特別大編成ということでしたが、普段の定演と違いレギュラーの方のお顔が少なく、OEKだけどOEKじゃないような印象も片隅にありました。このあたりは年末年始で、しかも仕事始めの日ぐらい(?)からニュー・イヤー・コンサートのリハーサルと本番が控えているとなれば、個々にスケジュール調整が難しいのでしょうね。

しかし、コンサート自体はとても楽しめるものでした。それにお客さんが多くてびっくり!1階席だったのできちんと確認はできてませんが、2階3階のバルコニー席まで埋まっていたことを考えると、ほとんど満席に近い状態だったのではないのでしょうか?よくもまぁこれだけ年末真っ只中の時期に(紅白も見ず)人が集まるものです。しかも頭数を揃えたというわけでもなさそうで、コンサートの雰囲気としてはとてもいいものでした(ただ時間が時間だけに、途中で自分の近くに1人寝息をたてている人がいましたが、しょうがないでしょうね)。

コンサートの内容は2部構成になっていまして、第1部と第2部の開始にオケが序曲を演奏し、あとは第1部の終盤に「トランペット吹きの休日」、作曲者自身の指揮で交響的幻想曲「能登」と「利家とまつ」よりメインテーマ、第2部の「六甲おろし」、アンコールのとても印象的なエルガー「威風堂々第1番」以外は必ず歌手やソリストが入る形になっていました。

その中でも印象深かったのが、ウィーン国立歌劇場から来たサーニャ・ケルケスさん、イワン・トマセフさん、マグデブルク歌劇場から来たダニエル・マグダルさんのお三方で、特にバリトンのイワン・トマセフさんの声はずっしりと芯があり、しかも響きが豊かな非常に魅力ある声でした。もちろん石川県出身のメゾソプラノの中西富美枝さん、鳥木弥生さん(大阪朝日放送のアナウンサーであるお姉さんも司会でちらりと登場しました)、ピアノの宮谷理香さんの演奏もそれぞれ立派なものでした。

第2部では、千住真理子さんが、1年ほど前に出会ったストラディヴァリウス「デュランティ」で2曲演奏しました。ストラディヴァリウスと言うと名器の代名詞ですが、300年間誰も弾いていなかったということもあり、まだまだ昇っていくような印象もあるのですが、千住さん自身も語っていましたが音量の豊かさには驚くもので、PAを通していないのに通したかのような音量で鳴っていたような気がします。

さて、初めて体験するカウントダウンですが、こればかりは少々残念なような気がしました。というのも、出演者10人がそれぞれに数字が書かれたプラカードを持ち、コンサートホール全体でカウントダウンしていくという趣向だったのですが、1分前から10秒前まで表示されていた電光掲示板が消え、客も出演者もカウントを何かに頼るわけでもなくちょっと怪しげにプラカードを下ろしカウントダウンしていったからです。せめてきちんと電光掲示板もカウントダウンを表示すれば声を出す方も安心したでしょうし、カードを下ろす方もしっかりと下ろせたのではないかと思います。肝心の10秒前に何も前触れもなく電光掲示板が消えたので、最後までカウントを続けてくれたほうが声を出す方もカードを下ろすほうもしっかりできたと思います。

とにかく時間も長めで内容も盛りだくさんのコンサートでした。そのため、少々進行が遅れ気味になり、休憩が10分短くなる、カウントダウン前の六甲おろしがカウントダウン後の方へと移るなど多少のドタバタした感じはありましたが、年末年始を飾るにふさわしいとても楽しいコンサートでした。コンサートホールで年末を送り年始を迎えるのが、一番自分に合っているのかもしれません。毎年の恒例行事として、これからは毎回カウントダウン・コンサートに参加したいと思います。(2003/12/24)