ドレスデン国立歌劇場管弦楽団演奏会・金沢公演
2004/05/16 石川県立音楽堂コンサート
モーツァルト/交響曲第41番ハ長調K.551「ジュピター」
シュトラウス,R./交響詩「英雄の生涯」
(アンコール)ワーグナー/楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲
●演奏
ベルナルト・ハイティンク指揮ドレスデン国立歌劇場管弦楽団
Review by 管理人hs  tatsuyatさんの感想七尾の住人さんの感想
みやっちさんの感想  mayumiさんの感想

ドレスデン国立歌劇場管弦楽団といえば,世界最古のオーケストラとして輝かしい歴史を持つ名門オーケストラです。日本のクラシック音楽ファンにとっては,ウィーン・フィルと並び,クラシック音楽の歴史そのものを感じさせるようなオーケストラとして,一種「別格」的な扱いを受けているのではないかと思います。その”憧れのオーケストラ”の金沢公演が行われました。

今回,指揮台に登場したのがベルナルト・ハイティンクです。ハイティンクさんといえば,アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団をはじめとしたヨーロッパのメジャー・オーケストラを中心に非常に多くのレコーディングや演奏会を行ってきた,現代を代表するベテラン指揮者です。75歳の現在,世界中で最も巨匠という言葉が相応しい指揮者といえるのではないでしょうか。

クラシック音楽の本流を引き継いでいる正統的な指揮者とオーケストラの組み合わせということで,金沢の音楽ファン待望の演奏会になりました。会場には演奏前からそういう期待と熱気にあふれた空気がありましたが,演奏後はさらにその盛り上がりが大きくなりました。素晴らしい演奏会になりました。

今回のプログラムは,モーツァルトとリヒャルト・シュトラウスの組み合わせでした。このオーケストラの最も得意とするレパートリーの組み合わせといえます。前半のモーツァルトの「ジュピター」の方は,コントラバス4人で,オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)より一回り大きいぐらいの編成でした。管楽器の配列が少し変わっており,弦楽器の背後に下手からホルン,ファゴット,フルート,オーボエ,トランペット,ティンパニの順に1列で並んでいました。室内オーケストラ的な密度の高いアンサンブルを目指していたのかもしれません。

この「ジュピター」ですが,まさに”地に足の着いた”という感じの落ち着きを感じさせてくれる立派な演奏でした。第1楽章も第4楽章も繰り返しを行っていましたので(他の楽章はよくわからなかったのですが),30分を越える大交響曲となっていました。曲のテンポは第1楽章の冒頭からかなり遅目で,しかも大きく動かすことはありませんでした。その一方,音のキレが大変良いので,全くもたれるところはなく,堅固な建築を見るような格調の高さを感じました。ハイティンクさんの指揮ぶりは(後ろから見た感じですが),大変明晰なものでした。弦楽器の渋いけれども隙のない響きもさすがだと思いました。

オーケストラの音色は大変まとまりの良いもので,一つの楽器のように響いていました。弦楽器の落ち着いた音色を主体に,じっくり熟成されたようなオーケストラ全体としての暖かな音色を楽しむことができました。その一方,管楽器のソロの部分などになると,スッと全体の中から音が浮かび上がっていました。その自然さは,アンサンブルの真髄と言えるものなのかもしれません。

第2楽章も大変じっくりしたテンポで演奏されていました。ここでは弦楽器の渋い響きがさらに魅力を発揮していました。弦楽器が弱音になればなるほど,何かを訴えかけるような強い表現力を感じました。特に濃い表情付けを行っているわけでもないのに,ちょっとした間を入れるだけで,枯淡の境地といっても良いような寂しげな味が出ていました。

第3楽章は前楽章の静かな雰囲気から開放されたような爽やかで澄み切った響きが印象的でした。快適なテンポで演奏されており,洗練された品の良さがありました。トリオの部分では,管楽器の控え目な美しさが印象的でした。

第4楽章では,再度遅目のテンポに戻り,対位法的な音の動きをじっくりと聞かせてくれました。第1楽章同様,慌てず騒がず,がっちりとした雰囲気を作っていました。コーダ付近では,ホルンの爽やかな音を皮切りにモティーフが受け渡されて行きますが,こういった部分では,じわじわと音楽する喜びが広がって行くような楽しさがありました。

モーツァルトの交響曲については,近年,あれこれと新機軸を加え,ノンビブラートによる軽やかに流れるような演奏が多くなってきていますが,ハイティンクさんの指揮は,そういう演奏とは全く違うものでした。特別なことはしていないのに,曲の立派さをストレートに伝えてくれるベテラン指揮者ならではの演奏でした。

後半の「英雄の生涯」は,金沢で演奏される機会は滅多にない曲です。私自身,生で聞くのは初めてのことです。もしかしたら,金沢初演だったのかもしれません。私がこの曲を初めて聞いたのが,NHK-FMで放送されたハイティンク指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の来日公演(1970年代中頃のことです)の時の演奏でしたので,今回の演奏には,個人的な思い入れも少しあります。

4管編成の作品ということで,石川県立音楽堂コンサートホールのステージは奏者でぎっしりとなりました。下手奥に陣取る9人のホルン奏者,その隣に5,6人並んでいたトランペット奏者が何と言っても壮観でしたが,その他の木管楽器などもいろいろな楽器を持ち替えて演奏しており,見ているだけで楽しめる面がありました。

この曲は大変格好良く始まります。この部分を生で聞くのは,私の夢の一つでもありましたので,充実した低音とホルンでヒロイックなテーマが出てきた瞬間,鳥肌がたちました。ハイティンクさんのテンポ設定は全曲に渡り大変ゆっくりしたもので,悠揚迫らざる大河ドラマを見るようなスケールの大きさがありました。この曲を含め,シュトラウスの曲については,外面的な派手な効果を狙った曲が多いと思われがちですが,ハイティンクさんの指揮にかかると,薄っぺらなドラマではなく,ハイティンクさんの生き方そのものとダブルような誠実なドラマを感じさせてくれました。オーケストラはよく鳴っているのに,荒っぽい感じがないのは,ハイティンクさんとドレスデンのオーケストラの持ち味そのものだと思いました。

「英雄の敵」の部分は,CDなどで聞くよりも音が生々しく大変楽しめました。特にフルートなどの高音楽器のきらびやかさが「うるさい敵」というイメージにぴったりでした。いろいろな音が複雑に絡み合っているのに,混乱した感じがなく,精密な音の動きの面白さを感じさせてくれるあたりは,この曲を知り尽くした両者の組み合わせならではと言えそうです。

続く,「英雄の伴侶」の部分では,コンサートマスターの方の演奏が光っていました。テンポはここでもじっくりしたもので,ヴァイオリンの豊かな表情付けを堪能できました。オーケストラ全体の響き同様,大変落ち着きのある独奏で,言ってみれば”良妻賢母”という感じでしょうか。ただし,曲が進むにつれて,「これぞ後期ロマン派」という耽美的な気分に変わって行きます。それほどゴージャスな感じはなかったのですが,ずっとこのまま浸っていたいと思わせるような,暖かい気分とほのかな色気がありました。こういう部分もCDよりは実演の方が楽しめます。

そのうちにトランペット奏者3人がゴソゴソと立ち上がり,「戦闘の場」の準備のために舞台裏に出ていきました。この「戦闘の場」ですが,この部分も是非一度生で聞いてみたかった部分です。この3人のトランペットによる「遠くから聞えるファンファーレ」に続いて,激しい戦闘になります。私自身,初めてこの曲を聞いた時から,この部分を聞くと「チンドン屋の行列のようだ」と思っていたのすが,今回,壮麗な音を聞くことができ,長年の夢を果たすことができました。特にスッキリとよく通る音で聞こえてきたトランペットの音が印象的でした。ただし,ここでも響きそのものは,どぎつい感じではなく(音楽堂の響きの良さもあると思います),強弱の付け方やテンポの動きも荒れ狂う感じではありませんでしたので,あくまでも「音楽的な戦闘」でした。全曲の中でこの部分だけが突出することもありませんでした。

この後は,懐古的な気分になります。「英雄の業績」の部分には,いろいろな曲の一部が出てきます。「ドン・ファン」「ティルオイレンシュピーゲル」「ドン・キホーテ」の断片については私にも判別できましたが,その他にも色々と混ぜ込んであったようです。その後は,同じような気分のまま,「英雄の引退」の部分に入っていきます。イングリッシュホルンののどかな歌が聞えてきて,田園で引退しているような気分になります。この交響詩は,音楽でいろいろな場面を描いているわけですが,こういった雰囲気の出し方は,「さすが歌劇場のオーケストラ」と思わせる巧さです。音楽はさらに佳境に入り,静かに余生を送っているような澄み切った雰囲気が演奏にもあふれて来ます。特に,いちばん最後のおごそかに盛り上がった後,静かに音が消えて行く辺りの透明感はすばらしいものでした。

「英雄の生涯」は,やはり生の方がずっと楽しめる曲だと実感しました。CDで聞く時は,華やかな部分にばかり耳が行ってしまうのですが,実演でこの曲を聞くと,曲全体のドラマが実感できました。むしろ静かで内面的な情感のあふれる部分の方に素晴らしさを感じましたが,これは,ハイティンクさんの指揮の魅力によるのかもしれません。

演奏後は大変盛り上がり,拍手が鳴り止みませんでした。拍手に応えて演奏されたのが「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲でした。バーンと曲が始まると,会場の雰囲気が一気に明るくなり,世界が広がったように感じました。弦楽器群のキリっと締った合奏の美しさも印象的でしたが,この曲では,ハイティンクさんのスケールの大きさを感じました。「タンタカタン」というリズムをじっくり演奏したり,コーダの部分での悠揚迫らぬテンポ設定はなどは巨匠の指揮そのものでした。
↑非常に薄いのですが...よく見ると,白っぽくサインが入っています。残念ながらサインペンのインクが切れていたようです。このCDはドレスデンでのライブを収録したもので,ハイティンク指揮のブラームスの第1交響曲が収録されています(通常の店で買えるのかどうか不明)。プログラムは1部1500円もしたので,それを買わず,こちらのCD(1700円ほど)を買いました。


アンコール後,団員が引っ込んでしまった後も拍手は止まず,最後にハイティンクさんだけが拍手に応えるためにステージに再登場しました。金沢でこういうカーテンコールが起こったのは初めてのことかもしれません。というわけで,いろいろな点で金沢の音楽史上に残る演奏会になったのではないかと思います(石川県立音楽堂ができてから,次々新しい歴史を作っているとも言えますが)。

PS.今回,経費節減のため,3階席の本当にいちばん上の座席で聞いてみました。シュトラウスの大編成の曲ならば,最上列でも音は聞こえるだろうと思って,その席にしたのですが,そのとおり大変良く音が聞こえました。3階席とはいえ,正面に座ることができましたので,オーケストラ全体もよく見渡すことができました。「チェロがよく鳴っているな」とか「チューバが「英雄の敵」の音を出している」とか全体を気分良く観察できました。後ろに人がいないのも気楽なものなので,最上列も悪くないなと思いました。

PS.演奏会後,ハイティンクさんのサインをもらうために楽屋口に行ってみると,音楽堂の職員の方が,待っていた人達を通用口から中に招き入れてくれて,簡易サイン会を行ってくれました(今日は天候が悪かったのでありがたかったです)。ハイティンクさんは,比較的小柄で,とても穏やかな感じの方でした。サインをもらうために並んでいたのがほとんど男性だったのもハイティンクさんらしいところかもしれません。(2004/05/16)

Review by tatsuyatさん
普段多忙で、なかなかこの掲示板に書き込めなくて申し訳ないですが、私もハイティンク/シュターツカペレ・ドレスデン(SKD)のコンサートに行ってきました。

最初の曲、今ではかえって珍しいくらいになったモダン楽器による堂々たる演奏のモーツァルト「ジュピター」から、ふくよかなドレスデン・サウンドに包まれて、まさに至福の時でした。よく「燻し銀の響き」と呼ばれますが、実際に生で聴けば分かるように、弦なんかは意外なほど明るい響きで、しかし決して冷たくならず、やさしい木質のしっとりとした音色が、たっぷりと満喫できました。

R・シュトラウスの「英雄の生涯」も、SKDの響きにうってつけの曲ですが、冒頭からR・シュトラウス特有の音の洪水に圧倒され、殆ど忘我の境地に(笑)。「英雄の伴侶」や「英雄の引退と完成」等の穏やかで緩やかな曲想は、繊細なニュアンスや陶然とした透明感をもって演奏され、壮大なトゥッティも真の劇的な迫力をもって鳴り響いていました。こうした素晴らしいライブで改めて聴くと、「英雄の生涯」は、R・シュトラウスのオーケストラによる「オペラ」なのだなと実感できます。陶酔のうちに光輝く美しい音色が空間に満たされ、身体や脳髄が痺れて、もはや言葉も失うくらいの満足感です。

ハイティンクは、基本的には相変わらず奇を衒わない正攻法な解釈で、見た目は明晰な指揮ぶりだったと思うのですが、やはり年齢を重ねてきたせいか、明らかに少しテンポが遅くなりスケールも大きくなってきて、時には効果的なタメをとるような箇所も。そうした意味で、アンコールの「マイスタージンガー」第1幕への前奏曲も、本当に鳥肌が立つほどの素晴らしい演奏でした。

これまでもSKDの生の演奏は何回か経験しているのですが、今回の公演は、掛け値なしに最高度の充実した演奏体験でした。ハイティンクとSKDの相性のよさやコンディションの具合もあったでしょうが、響きのよい音楽堂コンサートホールのおかげで、これまで以上にSKDの音色が堪能できたと思います。

これで偶然とはいえ、私の好みの海外オーケストラ・ベスト3(SKDとウィーンpo、アムステルダム・コンセルトヘボウ)を、すべて音楽堂で実際に聴くことが出来ました。重ねがさね、招聘を実現してくださった(財)石川県音楽文化振興事業団ほかの関係者に感謝したいです。(2004/05/16)

Review by 七尾の住人さ

R.シュトラウスの「英雄の生涯」というこちらではなかなかライブで聴けない曲がプログラムされているので、今回は大変期待して出かけました。

管理人さんの感想同様、前半のジュピターも大変立派で風格のある演奏だったのですが、後半の「英雄の生涯」が何と言っても圧巻でした。本当に凄い演奏で陶酔状態が終演後もしばらく続いてしまいました。ホールを出た後ロビーいすに腰掛けでぼーっとして、自分を取り戻すまで時間がかかりました。演奏中は音楽の世界に連れて行かれて、拍手で現実に戻されたような感じです。まるで夢でも見てたかのように体が動きませんでした。何度も書きますが本当に物凄い演奏で圧巻でした。

あさっては富山公演ですが、チケットを買っておいて本当によかったです。またとても楽しみです。(2004/05/16)


Review byみやっちさん

みなさん、こんにちは。

私もドレスデン国立歌劇場管弦楽団の伝統ある響きを県立音楽堂で2時間あまり聴いてきましたが、最後には涙が出るぐらい素晴らしい響きに包まれ、とても感動しました。最高です(笑)。ヨーロッパ公演からお帰りのOEK団員の方たちも観客としてお見かけする華やかな雰囲気のなかで、指揮のハイティンクさんが満を持して登場してきました。

前半のモーツァルト:交響曲第41番「ジュピター」では、第1楽章の最初に聴いたドレスデンの弦楽器の音色からとてもどっしりとした安定感のある「いぶし銀の響き」が伝わってきて、繊細なニュアンスと力強い弾きぶりが魅力的でした。フルートやオーボエの響きもまろやかさと滑らかさを伴った響きで華やかな雰囲気を醸し出していました。

第2楽章では陶酔感のある味わい深い響きで一音一音を歌うように紡ぎだし、第3楽章では下降音型にどっしりとした響きと勢いがあり、フルートのソロも心地よい響きを奏で、第4楽章では弦楽器のたくましい豊かな響きと、管楽器の華やぎのあるまろやかな響きと、そしてティンパニのリズムのよいしっかりした響きがモーツァルトの音楽に生き生きとした彩りを与え、オーケストラの音が一体となって押し寄せてくる高揚感を味わいました。

後半はメインのR.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」が演奏され、初めて生でシュトラウスの曲を聴いたのですが、もしかして最高のオーケストラで名演を聴いたのかもしれないほど、豊かで暖かみのある感動的な音色に満ちあふれていました。

第1部では低弦のどっしりした響きの序奏で始まり、弦楽器の一糸乱れぬたくましい響きと金管楽器の豊麗な響きが素晴らしく、第2部では静けさに満ちたなか、弦楽器の表情豊かな響きと木管楽器のまろやかな響きが印象的で、第3部では独奏ヴァイオリンの甘く切ない息をひそめるような繊細な響きがとても美しかったです。

第4部に入ると雰囲気が一変して、舞台裏のトランペットの響きを合図に打楽器・管楽器の勇ましい響きと弦楽器の力強い響きが見事に調和した音の一体感に包まれ、第5部ではシュトラウス自身が手がけた交響詩のモチーフを中心に叙情的な音楽がやさしく奏でられ、第6部ではゆったりとしたテンポでスケール感の大きい、懐の深い味わい豊かな音楽で伝統に培われたドレスデン・サウンドをホールいっぱいに満たし、感動に満ちた至福のひとときにじっくりと浸りながら身を委ねていました。

最後に静かに締められた演奏終了後は会場一体がまさに感動の渦に巻き込まれ、観客が6〜7割ほどしかいないにもかかわらず、約100名が奏でたドレスデン・シュターツカペレの最高の音楽に一際大きな拍手をずっと浴びせ続けていました。

大喝采の興奮も冷めやらぬ中、再び演奏されたアンコールのワーグナー:「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲では、本物のワーグナー・サウンドに出会った感じで、最初の一音から言葉にできない凄まじい感動と、本場のオペラで鍛え上げられた素晴らしい音色と、そしてオーケストラの魅力的な弾きぶりが一体となった見事な雰囲気に包まれました。クライマックスに入りゆっくりとしたテンポになっても、なおいっそう一音一音の充実した響きに満ちあふれ、いとおしむように聴き入っていました。

終演後は演奏の余韻に浸りながら、別プログラムで演奏される最新の録音「ブラームス:交響曲第1番」(ハイティンク指揮/ロンドン交響楽団)のCDを聴きたくて購入しました。

楽屋口では約50名ほどの熱心なファンの行列ができていたので、もしかしてと思い適当に並ぶとサイン会となりました。ハイティンクさんにはドイツ語でダンケシュン(ありがとう)を伝え、「今日はとても感動しました。」と通訳さんに一言伝えると、太いがっしりした大きな手で握手してもらいました。ファンを大切にする心を持った素晴らしい巨匠に出会えて感激でいっぱいでした。

これからツアー後半に入りますが、ドレスデンの生の響きを聴いていない人がいましたら、ぜひ一度この素晴らしい音楽を目の当たりに聴いてみてください。これぞ本場ヨーロッパの世界遺産、素晴らしい感動、間違いないです!(2004/05/17)



Review by mayumiさん

アンコールの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」の出だしを聞いた瞬間、涙があふれてしまいました。クラシックを聞いて初めての事です。帰り際、他にも目元を拭いていらっしゃった方をお見かけしたので、なんだかほっとしたりして。

地方でこれだけの演奏が聞けるなんて。演奏直後のホールの残響と一瞬の静けさが忘れられません。 (2004/05/19)