ニューヨーク・フィルハーモニック 福井公演
2004/10/24 ハーモニーホールふくい

1)プロコフィエフ/バレエ「ロメオとジュリエット」から3つの情景
2)プロコフィエフ/ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調op.19
3)(アンコール)バルカウスカス/パルティータ
4)ドヴォルザーク/交響曲第9番ホ短調op.95「新世界から」
5)(アンコール)ドヴォルザーク/スラヴ舞曲op.72-1
6)(アンコール)ビゼー/「アルルの女」第2組曲〜ファランドール
●演奏
ロリン・マゼール指揮ニューヨーク・フィルハーモニック(1-2,4-6)
庄司紗矢香(ヴァイオリン*2,3)
Review by みやっちさん
ハーモニーホールふくいのホール内に入るのは初めてで、大きなシャンデリアがぶらさがる内装の豪華さにビックリ。まさにカルチャーショックものの素晴らしい、とても広くゆったりとしたシューボックス型ホールでした。舞台で練習中のオーケストラもなかなか見られない迫力ある光景だったけれど、ホール全体を眺めてあまりの素晴らしさに、開演前から感激していました。

今回の指揮者はマゼール、ソリストは庄司紗矢香と超ビッグな顔合わせ!座席は初めてオーケストラの上手後側に座って、聴きなれない角度から音楽を楽しみました。

前半のプロコフィエフ:「ロメオとジュリエット」は〈モンタギュー家とキャピュレット家〉ではじまり、凄まじい大音量で迫ってくる金管のたくましい響き、弦楽器の厚みのある豊かな音色で、いきなりパワー全開のオーケストラの渦にのみこまれました。

プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番では、指揮のマゼールさんが大所帯のオーケストラをぐいぐいと引っ張っていて、第1楽章のフルートとハープとヴァイオリン・ソロによる幻想的な音色が印象的でした。鮮やかなブルーのドレスを身に纏ったソリストの庄司さんが、切れ味鋭くスキのないボーイングと繊細で厳しく張りつめた音色を奏で、とても頼もしい、観客を惹きこむ音楽を奏でていました。

アンコールの無伴奏ヴァイオリンの曲では、5分超の演奏から語りかける一つ一つの響きが味わい深く染み入り、スーっと惹きこまれる素晴らしい演奏でした。庄司紗矢香、噂どおりただ者じゃないです。

後半は2階席の後ろに移動して、いつも通り正面から聴きました。ドヴォルザーク:「新世界から」では、第1楽章冒頭の音の厚みと迫力、第2楽章イングリッシュ・ホルンのメロディーを浮き出させる弦楽の静謐さ、第4楽章のけたたましく鳴り響く金管と力みなぎる爽快な弦の音色など、マゼールさんの堅実な棒さばきから生み出されるメリハリの効いた演奏、聴かせどころの音色の素晴らしさが印象的でした。

ハーモニーホールの音響は抜群で、ニューヨーク・フィルのサービス精神旺盛で余裕の感じられるアンコールを2曲も聴けて、大満足の演奏会でした。 (2004/10/26)