午後6時の音楽会vol.28プレジール・トリオ
2004/11/13 石川県立音楽堂交流ホール
1)冬のソナタ〜My Memory、あなただけが
2)ドヴォルザーク/ピアノ三重奏曲ホ短調op.90「ドゥムキー」
3)(アンコール)ドヴォルザーク/ユーモレスク
4)(アンコール)曲名不明(多分,「冬のソナタ」の中の曲)
●演奏
プレジール・トリオ(北川知子(ヴァイオリン),市村孝一(チェロ),棒田美江(ピアノ))
Review by 管理人hs

石川県立音楽堂で毎月1回土曜日の夕方に行っている入場無料の演奏会「午後6時の音楽会」に出かけてきました。今回はプレジール・トリオというピアノ三重奏団による演奏でした。

当初,この演奏会に出かける予定は無かったのですが,たまたま空白の時間が出来たので出かけることにしました。「午後6時の音楽会」は演奏会の時間が1時間以内でしかも交流ホールという気軽な場所で行われますので,こういう”飛び込み”のお客さんも意外に多いのではないかと思います(金沢駅地下の工事が完成し,交流ホール付近と連結すれば,ますますそういうお客さんは増えると思います)。

今回のプログラムですが,1曲目には間に合わず,2曲目の途中から会場に入ることになりました(それにしても地下の駐車場から交流ホールというのは距離が短いですね)。扉を開けて見ると...「ワッ」という感じで,ものすごい数のお客さんの姿が目に入って来ました。この日は客席が階段状になっていたのですが,平土間の部分にも階段状の部分にも人が溢れ,熱気がムンムンしている感じでした。失礼ながらこれほど客さんが入っているとは予想していませんでした。

今回登場したプレジール・トリオを聞くのは初めてのことでした。女性2人と男性1人の組み合わせで,華やかさと落ち着きを感じさせてくれる雰囲気がありました。まず,ドラマ「冬のソナタ」の中の曲が演奏されました。とても聞きやすい曲でしたが,慌てて客席に入ったばかりだったので,どういう曲だったか印象が残っていません(このドラマ自体見たことがないのでピンと来なかったせいもあるのですが)。

続いて,ドヴォルザークのピアノ三重奏曲「ドゥムキー」が演奏されました。通常,こういうコンサートではトークをはさみながら短めの曲を何曲か演奏する,というパターンが多いのですが,この日は30分ほどあるこの曲の全曲が演奏されました。これもまた,予想外でした。前日,邦楽ホールでドヴォルザークのピアノ五重奏曲の全曲を聞いたばかりだったので,2日続けてドヴォルザークの室内楽の大曲を聞いたことになります。

演奏の方は弦楽器の音程が所々で悪くなるようなところはありましたが,とても堂々としたものでした。もう少し躍動するリズム感を強調してもらった方が好みだったのですが,安心して聞けるバランスの良いアンサンブルだったと思います。こうやって連日ドヴォルザークの充実した作品を楽しめるというのも「ドヴォルザーク没後100年」の年ならではと言えそうです。

今回は,何が出てくるかわからずに音楽堂に出かけてみたのですが,こういうのもたまには面白いものです。石川県立音楽堂も「行けばきっと何かやっているだろう」という期待感を持たせてくれるような場所になりつつあるようです。(2004/11/16)