西本智実バレンタイン・コンサート
2005/02/20 石川県立音楽堂コンサートホール
1)チャイコフスキー/バレエ音楽「白鳥の湖」抜粋
2)チャイコフスキー/交響曲第4番ヘ短調op.36
3)(アンコール)チャイコフスキー/バレエ音楽「白鳥の湖」〜マズルカ
●演奏
西本智実指揮オーケストラ・アンサンブル金沢(コンサート・ミストレス:アビゲイル・ヤング),中井美穂(司会)
Review by 七尾の住人さん  

一言で言えば、大変素晴らしいコンサートでした。

バレンタインコンサートというには少し遅いような気がしますが、アンコールを含めて全てチャイコフスキーのプログラムということで、まさに指揮者西本智実さんが作曲者チャイコフスキーにプレゼントを贈ったような気がします。(アンコールは「白鳥の湖」より「マヅルカ」でした。)

特別大編成のOEKは、エキストラが管よりも弦に多く入っていたようでしたが、主体はあくまでもOEKでその素晴らしさは全く変わりありません。前半の白鳥の湖からの抜粋は、バレーが入らない分純粋に音楽だけを楽しむことができましたが、今回コンサートミストレスを務めたヤングさんの素晴らしいソロが聴かれるなど、大変聴き応えがありました。後半の交響曲第4番も本当に素晴らしく、あっという間に時間が過ぎてしまいました。

総じてこの日の演奏は、演奏に全く隙を感じさせず、全てにおいて大変充実した音を聴かせていただきました。その年齢から老練な凄みというわけではありませんが、いやそれにも全く劣らない違った凄さを西本さんの指揮から感じました。今日の演奏を聴くとチャイコフスキーの未完の交響曲「人生」の初演を任されたのが十分納得できます。

何度も繰り返すことになりますが、本当に凄く、素晴らしい演奏でした。西本さんのこれからが楽しみですし、またOEKと共に演奏して下さることを切に望みます。 (2005/02/20)