金沢弦楽合奏団第34回定期演奏会 2005/05/21 金沢市文化ホール ボロディン/ノクターン ヴィヴァルディ/2つのヴァイオリンとチェロのための協奏曲ニ短調 ヘンデル(カサドシュ)/ヴィオラ協奏曲ロ短調 シューベルト(マーラー編曲)/「死と乙女」ニ短調 ●演奏 松中久儀指揮金沢弦楽合奏団,堀口あつ子(ヴィオラ)
毎年初夏恒例の金沢弦楽合奏団定期演奏会、メインの「死と乙女」が聞きたくて出かけた。メンバーは金沢ではおなじみの音楽指導家や弦楽愛好家の皆さん。 ボロディンは有名なノクターン、大久保先生のチェロ独奏のような趣でたっぷり歌われた。 ヴィヴァルディは調和の霊感からの曲、メンバーの林、中西さんと大久保先生のソロ。林さんのソロは少しポルタメント風、中西さんはきびきびした感じで二人にもう少し統一感があったほうが良かったかもしれないが、全面にでている分よく鳴っていた。このホールや音楽堂の邦楽ホールは規模が丁度良いが響かない。贅沢だが中規模の良いホールが欲しくなる。 ヘンデルのヴィオラ協奏曲はカサドシュというフランスの作曲家の作品である。(有名なピアニストのご先祖だろうか)全くヘンデル風の曲ではない。フルートとファゴットが加わり華やいだ感じ。とりわけファゴットがはつらつとした達者な演奏だった。ヴィオラ独奏を聞く機会は大変少ない。堀口さんはヴァイオリンとヴィオラのどちらを主にしているのだろう。ぜひヴィオラで大成していただきたい。 さて「死と乙女」、シューベルトの数多い名作の中でもとりわけ激しく悲劇性を感じさせる曲だが、冒頭から松中先生の指揮ぶりも気合い十分、気迫がこもっていた。弦楽合奏も前三曲より精度があがっている。ヴァイオリンパートが二つに分かれるあたりは多少心もとないのだが。長大な第一楽章に続く第二楽章はもう少し深い歌が欲しかった。第三、第四楽章は一気呵成の演奏。ともかく最後まで緊張感がとぎれず、(CDだと退屈する)充実したひとときだった。金沢では数年前、オルフェウス室内オケで演奏されたが、いずれOEKでもプログラムにのることだろう。(管理人さん、OEKではまだですよね)楽しみにしている。 アンコールに民謡風の小品が演奏された。作曲者はわからないが「マドリガル」とメンバーからきいた。(2005/05/23) |