SP盤で聴くベートーヴェン全交響曲
巨匠たちの年忘れ競演
2005/12/30 金沢蓄音器館
- 第1番(オットー・クレンペラー (1885〜1973))指揮 Kapelle der Staatsoper
Berlin)
- 第2番(セルゲイ・クーセヴィツキー (1874〜1951)指揮ボストン交響楽団
- 第3番「英雄」(ブルーノ・ワルター指揮The Philharmonic-Symphony Orchestra
of New York)
- 第4番(ハンス・プフィッツナー (1869〜1949)指揮Berlin Municipal Opera Orchestra)
- 第5番(ヴィルヘルム・フルトヴェングラー (1886〜1954)指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)
- 第6番「田園」(ポール・パレー (1886〜1979)指揮 L’association Artistique
des Concsert Colonne)
- 第7番(アルトゥール・トスカニーニ (1867〜1957)指揮The Philharmonic-Symphony
Orchestra of New York)
- 第8番(ウィレム・メンゲルベルク (1871〜1951)指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団)
- 第9番「合唱付き」(フェリックス・ワインガルトナー (1863〜1942)指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団)
2005年末には,オーケストラ・アンサンブル金沢の音楽監督,岩城宏之さんが,東京で「ベートーヴェン交響曲全集」を一晩で演奏する演奏会を開き,大きな話題となりましたが,金沢でも「SP盤でベートーヴェン交響曲全集を全曲聴く」というイベントが行われました。
私自身はこのイベントには参加できなかったのですが,どういう指揮者が何番を指揮したのか,という資料を関係者の方からお送り頂きましたのでご紹介しましょう。
考えてみると,「SPレコードでベートーヴェン交響曲全集を一晩で聴く」というのもギネス・ブックもののような気がします。盤の交換をされた方はさぞかし大変だったことと思います。
この指揮者の選択ですが,見ているだけで面白いですね。
第5番=フルトヴェングラー,第7番=トスカニーニ,第9番=ワインガルトナーといった「いかにもベートーヴェン」といった曲に巨匠が来るのはぴったりという感じです。第6番=ワルターかなとも思ったのですが,これはあまりにも当たり前過ぎるのかもしれません。第3番=ワルターというのも悪くないですね。
こうやって並べてみると,何となく野球のチームのメンバーのようにも見えてきますね(昔,諸井誠さんの本で,こういうような企画を見たことがあるような気がします)。クレンペラーの1番に来ると,”鈍足のトップバッター”,メンゲルベルクの8番は,”史上最強の8番バッター」という感じです。クーセヴィツキー,プフィッツナー,パレーといった「意表を突く」選択も面白いですね。
当日は午後4時から夜10時30分までかかったようですが,十数名の”物好きな”方が最後まで残っていたそうです。滅多にないことなので頑張って出かけてみればよかったかな,と後悔をしているところです。(2006/01/19) |