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チャイコフスキー未完成交響曲「ジーズニ」日本ツアー
2006/06/01 石川県立音楽堂コンサートホール
チャイコフスキー/交響曲第5番ホ短調,op64
チャイコフスキー/未完成交響曲「ジーズニ」
(アンコール)チャイコフスキー/アンダンテ・カンタービレ
●演奏
西本智実指揮チャイコフスキー記念財団ロシア交響楽団

Review by covariantさん
6月1日の西本智実さんのЖизнь(ジーズニ)公演に行ってきました。私の場合、時間的にも金銭的にも富裕層ではありませんので(笑)、名演奏者とされる方の金沢公演があっても、なかなか参りません。ヨーヨーマさんの演奏すら、未だ生で拝聴したことはありません。

今回の西本智実・ロシア交響楽団の演奏会も、随分迷っていたのですが、公演の日が迫るにつれて、西本さんの面影がどんどん浮かんできて、
前日にはとうとう、切符さえ手に入るならどんな席でも聴きに行こう、と決めたのです。おかしいでしょう?(笑)

すでにお伝えしてあるとおり、私には音楽的な評価をする能力はありませんが、メリハリの効いた力強い演奏と、指揮後の精根使い果たしたようなナイーブでかつ気高い表情に、もう、参りました(笑)。
ほんとうに行ってよかった、どんな形でもいい、西本さんには是非また金沢に来ていただきたいと思います。

西本さんの公式サイトBBSにも書いてしまったのですが、彼女の指揮ぶりを見て私は、自分の座右のツンドク書(笑)の1つ:白洲正子さんの新潮社版『両性具有の美』を、なかんずく、その表紙絵に使われている、あの(国宝)興福寺阿修羅像(写真)を思い起こしました。指揮者西本智実さんは、その両性具有な、気高さ、凛々しさ、三面六臂で表現されるような顔や手の動き、まさにあの阿修羅そのものでした!

昨年の西本さんの「バレンタインコンサート」にも、私も行っていませんが、hsさんはいらっしゃらなかったのでしょうか?「演奏会レビュー」には、「七尾の住人さん」のものしかありませんが、この時の、七尾の住人さんの感動を、今の私は素直に受け入れることができます。(2006/06/08)