OEKfan > 演奏会レビュー
2007ビエンナーレいしかわ秋の芸術祭シューベルト・フェスティバル
エーデルワイス・カペレのステージ
2007/10/05〜7 石川県立音楽堂交流ホール その他

Review by 管理人hs  
シューベルト・フェスティバルは,6日間に渡って,石川県立音楽堂で行われましたが,もしかしたら今回のフェスティバルのMVPがこの「エーデルワイス・カペレ」というグループだったのではないかと思います。プログラム上は,10月5日〜7日の3日間,交流ホールで連日45分から1時間ほどのパフォーマンスを楽しませてくれることになっていましたが,それ以外にも今回のフェスティバル期間中臨時に入口付近に設けられていたホイリゲで延々と歌や演奏を聞かせてくれました。一言で言うと「ビールに合う音楽」です。それにしてもタフな皆様でした。

私自身は,5日目の15:00からのステージを全部見ることができましたので,この内容について紹介しましょう。

この団体は,ヨーロッパのアルプス地方の民族音楽を忠実に表現するアンサンブルです。メンバーは5人編成で,トランペット,クラリネット,アコーディオン,チューバ(バリトン),トロンボーンが基本的な編成のようでしたが,楽器の持ち替えを非常に頻繁に行っており,トロンボーンの代わりにギター,アコーディオンの代わりにシンセサイザーになったり,と変幻自在の楽器編成でした。今回はこの5人にヴォーカルのMARIAさんが加わり,「エーデルワイス・カペレwith MARIA」という形でステージが進められました。

トークの方もMARIAさんが主に担当されており,次のような曲が演奏されました(曲名まではきちんとメモできませんでした)。
ポルカ
  1. ヨーデルを含む曲
  2. トロンボーンの活躍する曲
  3. 「遅刻しそう」というアコーディオンの活躍する曲
  4. MARIAさんと男性奏者による民族舞踊の入る曲。ミュージカル映画「サウンド・オブ・ミュージック」の中にこういう雰囲気の踊りが出てきたような気がします(そういえば,この作品の主役もマリアですが関係があるのかもしれません。ギターを持って歌う姿はマリアの雰囲気そのままでした)。この曲では,シュタイリッシュ・ハーモニカというアコーディオンの形をした楽器がズンという伴奏を入れているのが特徴でした。ハーモニカという言葉どおり,開く時と閉じるときで違う音がでるしくみになっていました。
  5. お馴染みクラリネット・ポルカ
  6. シューベルト・フェスティバルにちなんで「軍隊行進曲」が,ローカル色豊かなリズムで演奏されました。
  7. シューベルトのミサ曲からグローリア。ヨーロッパの教会でもこの編成で宗教曲も演奏するそうです。ブルックナーも演奏するということですが,是非聞いてみたいものです。
  8. 雪のワルツ。MARIAさんがカウベルの名人芸を聞かせて見せてくれる曲。ハンドベルを一人で演奏している感じですが,カウベルは響かないので,常に素早く震わせないといけないので,超絶技巧となっていました。
  9. 男性奏者3人によるアルプ・ホルン三重奏(アルペン・ホルンではなくアルプ・ホルンが正しい名称とのことです)。どこかで聞いたことがあると思ったら,ブラームスの交響曲第1番の4楽章に出てくるメロディでした。
  10. ローベルト・シュトルツ作曲のウィーン歌曲
  11. 行進曲でおしまい。
このように,各楽器のソロがバランス良く活躍する形になっていました。メンバーの皆さんは全員音楽大学卒業ということで,技術的にも大変素晴らしい演奏ばかりでした。

会場には,どこかの保育園の子供たちが団体で見に来ていましたが(もしかしたらキッズ・プログラムにも参加していたのかもしれません),楽しく民族音楽を楽しむことのできるステージとなっていました。

最後にエーデルワイスカペレの皆さんのお名前を紹介しておきましょう。今回参加されていたのは以下の方々です。

  • 鈴木啓之(音楽監督,編曲,トランペット)
  • 田代依子(アコーディオン等)
  • 石川勝巳(チューバ等)
  • 山崎忠男(トロンボーン等)
  • 口村麻衣子(クラリネット)
  • MARIA(くさなぎ英子)(ヴォーカル等)

公式ホームページは以下のとおりです。
http://www.edelweisskapelle.jp/

※書いているうちに,この響きが懐かしくなってきました。売店で売っていたCDを購入しておくんだった,と後悔しています。(2007/10/08)


ホイリゲとエーデルワイス・カペレ写真集
音楽堂の前にホイリゲ(Heuriger;居酒屋)が出演

日本語の看板です。かなり遅くまで営業していたようです。 夕方になってライトアップされました。
10月5日夜の室内楽公演のプレコンサートです。そのうちに,アルプ・ホルン三重奏が始まりました。

2階に上る螺旋階段から撮影したものです。音楽堂前の道路は右の説明のとおり,通行止めになっておりました。
人による演奏です。チロル風の衣装が目を引いていました。 これは,10月5日の室内楽公演の終了後だと思います。この演奏を聞きながら,仲道郁代さんからサインをいただきました。



キッズプログラム

この公演の時,最前列にどこかの保育園の子供たちが座っていました。


終演後,音楽堂の前で記念撮影などしていました。



キッズ・プログラムは音楽堂の地下で行われていたようです。




その成果も展示されていました。