OEKfan > 演奏会レビュー
2007ビエンナーレいしかわ秋の芸術祭シューベルト・フェスティバル
フルート・デュオコンサート
2007/10/06 石川県立音楽堂交流ホール
1)シューベルト/ます,D.550
2)シューベルト/アヴェ・マリア,D.839
3)シューベルト/フルートとピアノのための「しぼめる花」による序奏と変奏曲ホ短調,D.802から
4)シューベルト/アルペジョーネ・ソナタイ短調,D.821
5)シューベルト/セレナーデ,D.889
6)ケーラー/シューベルトの主題による二重奏協奏曲
●演奏
沢野茜,朝倉愛子(フルート),高森静香(ピアノ)

Review by 管理人hs  

シューベルト・フェスティバルの5日目は,仲道郁代さんの「ピアノ・ア・ラ・カルト」と「オーケストラと歌曲の夕べ」を中心に聞きに行ったのですが,その時間調整のために(演奏者の方には申し訳ないのですが),たまたま聞いたのがこのコンサートでした。

今回,交流ホールの座席は階段状にレイアウトされており,1階玄関から入ることができる形になっていました。自然に音も聞こえるのですが,こういう感じで下の方から音が立ち上がってくると,ついふらふらと入ってしまいたくなるのが真情です。

この辺は巧く考えられており,音だけは誰でも聞くことができるけれども,座席に座ってじっくり座って聞こうと思うと,回数券1枚または入場料が必要というシステムになっていました。前回のフェスティバルでは入場も無料だったと思うのですが,そうなると無闇に座席が混雑することがありましたので,今回のシステムの方が良いと思いました(私の方は,パスポートを持っていましたので,文字通りフリーパスでした)。

さて,フルート・デュオ・リサイタルですが,仲道さんのピアノ・ア・ラ・カルトが終わって,交流ホールに行ってみると(14:15ぐらいだったと思います),すでに演奏が始まっており,最初に2曲が終わっていました。この2曲はフルート二重奏だったようです。

その後,「しぼめる花」による序奏と変奏曲とアルペジョーネ・ソナタの2曲が,2人の奏者によって演奏されました。私はこの2曲を聞いて退出し,今度はコンサートホールに移動しました。

というわけで,各曲をどちらの奏者が演奏されていたのか,はっきり分からなかったのですが,リーフレットの写真によると,「しぼめる花」の方が朝倉愛子さん担当,アルペジョーネ・ソナタの方が沢野茜さん担当だったようです。

フルートのリサイタルを聞く機会は少ないのですが,こうやって2人続けて聞いてみると,個性が違うことが分かりました。どちらかというと,沢野さんのフルートの方が華やかな感じがあると思いました(曲の性格のような気もしますが)。。

「しぼめる花」の方は,「美しい水車屋の娘」の中の1曲として聞いたことはありますが,フルート版の方は聞くのが初めてでした。今回は抜粋だったのですが,それでもかなり長い曲で聞き応えがありました。

「アルペジョーネ・ソナタ」の方は,何と,2日間で実演を3回も聞いたことになります。チェロ版よりは,とてもスムーズに音楽が進んでいく感じがしましたが,この曲については,もう少し引っかかりがある方が良いかな,と思って聞いていました。

そうこうしているうちに次の演奏会がはじまる15:00近くになったので,残念ながら,最後の2曲を聞かずに退出してきました。機会があれば,次回は,もっとじっくり腰を落ち着けて聞いてみたいと思います。(2007/10/08)