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ラ・フォル・ジュルネ金沢「熱狂の日」音楽祭2008:ベートーヴェンと仲間たち
交流ホールで行われた公演から
2008/05/04 石川県立音楽堂交流ホール
2008/05/04 10:00- 川崎梨恵(Pf),藤原朋代(Vn),細川文(Vc)
1)ベートーヴェン/ロマンス へ長調
2)ベートーヴェン/ソナチネ
3)ベートーヴェン/ピアノ三重奏曲第4番「街の歌」
●演奏
川崎梨恵(ピアノ),藤原朋代(ヴァイオリン*1,3),細川文(チェロ*2,3)

2008/05/04 13:45- 男声合唱団K&クルー
シューベルト/ドイツミサ曲
●演奏
K&クルー

2008/05/04 15:15- きらら(女声合唱)
池辺晋一郎/いみず市民の歌
ベートーヴェン/喜びの歌
ベートーヴェン/旅人の歌
シューベルト/至福 ソプラノ独唱
ベートーヴェン/メルツェルさん(4部輪唱 メトロノームの製作者) 落ちがない感じ
ベートーヴェン/ねむの木(交響曲第2番)
以下 未聴
●演奏
きらら
Review by 管理人hs    
ラ・フォル・ジュルネ金沢(LFJK)の本公演2日目は,石川県立音楽堂交流ホールで行われた公演にも出てきました。コンサートホール及び邦楽ホールで行われた有料公演は,いずれも満席で,少々殺気立ったところもありましたが,交流ホール(通称フィデリオ)の方は,有料コンサートの半券やマルチパスがあれば気軽に入ることができるということで,私も時間調整を兼ねて,のんびりと出たり入ったりしていました。

まず,朝一の公演を聞きました。アートホールで整理券を貰った後,公演開始まで1時間ほど時間があったので,交流ホールに行ってみたところ,藤原朋代さんのヴァイオリンと川崎梨恵さんのピアノで,ベートーヴェンのロマンス(確かヘ長調の方だったと思います)を丁度演奏していました。ホールの中が朝の光に覆われている感じで,のんびりととても良い感じでした。考えてみると,朝の10時から生演奏を聞く機会など滅多にないことです。

続いて,細川文さんのチェロと川崎梨恵さんのピアノでベートーヴェンのソナチネ(とアナウンスしていました)が演奏された後,最後に3人揃って三重奏曲「街の歌」が演奏されました。確か,全曲が演奏されていたと思いますが,最後の楽章などは,「街の歌」というタイトルらしく,とても親しみやすい演奏でした。この交流ホールのステージで聞くにはぴったりの演奏でした。

今回登場した,3人の方のうち藤原さんと川崎さんは新人登竜門コンサートの出場者ですが,こういう形でのコラボレーションは今後も期待したいと思います。

その後,いくつか公演を聞いた後,午後からはアートホールで行われるエル=バシャさんの演奏を聞きに行こうかと思ったのですが,整理券を入手できなかったので,オーケストラ・アンサンブル金沢による「英雄」が始まるまでのんびりと交流ホール一帯で過ごすことにしました。

まず,聞いたのが富山にある男声合唱団K&クルーによる。シューベルトのドイツミサ曲でした。一言で言うと,”おじさまたちによる合唱”です。これが実に良い雰囲気を出していました。日本語訳でミサ曲歌っていましたが(指揮者の方のお話では,吉田秀和さんの訳とのことでした),古き良き時代の懐かしさを感じさせてくれるような歌でした,

この合唱団ですが,次のような団体です。
http://sound.jp/kcrew/
指揮をされていたのは,このページの写真を見る限りでは,桑谷泰之さんだと思います。

もう一つ女声合唱の公演を聞きました(途中までですが)。こちらも富山県の団体で,きららという名称でした。11人ぐらいの小編成の合唱団で,軽やかなそよ風のような声を聞かせてくれました。

歌われた曲は,ベートーヴェンの曲が中心でした。「メルツェルさん」という曲が交響曲第8番の第2楽章のお馴染みのメロディと同じだったり(延々と続く輪唱ということでオチのない話のようでした),交響曲第2番の第2楽章のメロディを使った曲があったり,今回のLFJKの雰囲気にぴったりのステージでした。

最初に歌われた「いみず市民の歌」の作曲者が池辺晋一郎さんだったり(→このページ参照),途中歌われたシューベルトの曲では,ソロも出てきたり,変化のあるステージになっていましたが...残念ながらそろそろ整理券待ちの列に並ぶ時間になったので,途中で出てきました。

この交流ホールでの公演では,つい先日の新人登竜門コンサートに出演したばかりの徳永雄紀君や竹田理琴乃さんが登場したり,コンサートホールでも公演を行っていた埼玉栄高等学校や愛知工大名電高等学校の吹奏楽部が登場したり,大変,変化に富んだ楽しめる内容になっていました。

コンサートホールでの公演は,OEKが中心となっている感じでしたが,この交流ホールでの公演は,北陸三県のアマチュア奏者や団体が集まって来ていました。この親しみやすい気楽な雰囲気は来年以降にも続けて行って欲しいと思いました。
(2008/05/19)












交流ホール
フィデリオ
交流ホールはフィデリオという愛称になっていました。


ホール内はこういう雰囲気です。背後に大型モニターがあるのが良いですね。

キッズ・プログラムで活躍していた”ベートーヴェン”さんです。何人かいたようです。


K&クルーの皆さん


JR金沢駅でもお見かけしました。


もてなしドーム地下は「ベートーヴェン広場」と名付けられていました。屋台が少し出ていました。


翌5日の公演予定です。ほとんど完売になっていました。