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OEKメンバーズ兼六園クラシックミニコンサート:新緑と月光
2009/06/07 20:20- 内橋亭(霞が池) 
1)曲目不明(ロッシーニ風の曲)
2)ドヴォルザーク/ユーモレスク
3)バッハのヴァイオリン協奏曲を編曲したもの
4)曲目不明(オーストリアの舞曲風のワルツ)
5)アイルランド民謡/庭の千草
●演奏
トロイ・グーキンズ,原三千代(ヴァイオリン),今野淳(コントラバス))

Review by 管理人hs  

6月6〜7日を中心に行われた金沢百万石まつりの関連イベントとして,ライトアップされた兼六園の中でOEKのメンバーが演奏を行うという演奏会が行われたので出かけてきました。この2日間,19:20〜と20:20〜の2回ずつ合計4回行われたのですが,私はいちばん最後の7日の20:20〜の回を聞いてきました。あいにく小雨気味だったのですが,この期間中,兼六園自体が入場無料になっていたこともあり,かなりのお客さんが集まっていました。恐らく,他の回も賑わっていたのではないかと思います。

「野外で室内楽」というのは,言葉自体が矛盾しているのですが,広い園内いっぱいに弦楽器の音が響くのも大変面白いものです。今回の編成は,ヴァイオリン×2+コントラバスで,もちろんマイクとスピーカーで音は拡大されていましたが,うるさく響くことはなく,兼六園内の自然と溶け合っていました。

今回は,5曲演奏されましたが,各曲の時間は短かったので,全体で15分から20分程度だったのではにかと思います。演奏された曲も,一ひねりあるような曲ばかりでした。最初の曲は,誰の曲か分からなかったのですが,コントラバスとヴァイオリンの組み合わせということで,ロッシーニの弦楽のためのソナタのような雰囲気を感じました(この曲集は,実は大好きなのです)。

有名なユモレスクに続いて出てきた曲がとても面白いものでした。ヴァイオリン奏者2名という編成を意識してか,”バッハの2つのヴァイオリンのための協奏曲によるパラフレーズ”といった感じの曲だったのですが,途中からどういうわけか,リズムがグレン・ミラーの「イン・ザ・ムード」のようなスウィングになってきます。なかなか洒落た編曲でしたが,一体,何というタイトルの曲だったのでしょうか?

次の曲も題名は分からなかったのですが,ウィーン風というよりは,もう少し素朴な舞曲風のワルツでした。こういう編成にぴったりの心地よい演奏でした。最後は,「庭の千草」が静かに演奏されてお開きとなりました(ただし,この曲の原題は「夏の名残のバラ」ですので,初夏に聞くよりは,初秋に聞く方が良かったかもしれません)。

今回,OEKのメンバーが演奏していた内橋亭は,兼六園内の霞が池のほとりにある和室なのですが,それがライトアップされ,新緑と共に水面に写し出されるという光景は,兼六園ならではだと思います。兼六園のライトアップは,四季ごとに行っているようですが,クラシック音楽とのコラボレーションによって,さらに美しさが増していたような気がします。冬に聞きに行くのはさすがつらそうですが,機会があれば,是非また聞きに行ってみたいと思います。



夜の兼六園写真集[初夏編]

せっかくの機会なので,夜景を撮影してきました。夜景の撮影は,これまでほとんど行ったことはなかったのですが,デジカメの撮影モードを「夜景」というのに変更してみたところ,シャッタースピードが遅くなり,意外にきれいに撮影できました(フラッシュは使っていません)。三脚を持っていかなかったので,手すりの上などに置いて写してみたのですが,夜景の撮影というのもなかなか面白いものだと思いました。きっと,もっと高性能のカメラだと,もっと美しい写真を取れたのではないかと思います。

園内にあった会場を示す地図です。
兼六園の看板です。今回は裏口(?)から入りました。 根上松(ねあがりのまつ)です。
杜若(多分)です。 石川県立美術館にある辻口カフェの出店 兼六園の象徴,徽軫灯籠(ことじとうろう)です。
徽軫灯籠の左奥に見えているのが,内橋亭です。 手すりに置いて撮影しました。空が意外に明るく写っていました(クリックすると拡大します)。 水面にきれいに緑が写っていました(クリックすると拡大します)。
内橋亭です。 望遠にしてみました。何とか奏者が写っています(クリックすると拡大します)。 こちらは遠景です(クリックすると拡大します)。
クリックすると拡大します クリックすると拡大します    お客さんです。

(2009/06/09)