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金沢歌劇座/オーケストラ・アンサンブル金沢/東京芸術芸劇場/読売日本交響楽団共同制作
歌劇「トゥーランドット」金沢公演
2009/07/18 金沢歌劇座
プッチーニ/歌劇「トゥーランドット」(セミステージ形式,イタリア語上演)

●演奏
井上道義指揮オーケストラ・アンサンブル金沢(コンサート・マスター:松井直)
演出:茂山千之丞

トゥーランドット姫:マリアナ・ツヴェトコヴァ(ソプラノ),皇帝アルトゥム: 鈴木寛一(テノール),ティムール: ジョン・ハオ(バス),名を秘めた王子(カラフ): アレクサンドル・バディア(テノール),リュー(若い女奴隷): 小林沙羅(ソプラノ),ピン: 萩原潤(バリトン),パン: 与儀巧(テノール),ポン: 牧川修一(テノール),役人: 小林大祐(バリトン),ペルシャ王子:中村順一,プー・ティン・パオ:風李一成,ダンサー:伊津田愛
合唱:金沢カペラ合唱団(合唱指揮:山瀬泰吾),児童合唱:OEKエンジェルコーラス(指導:山崎陽子,清水志津)

舞台監督:黒柳和夫(金沢舞台),照明:伊藤雅一,衣装制作:金沢文化服装学院,小道具制作:金沢美術工芸大学
Review by 管理人hs  

金沢市観光会館が金沢歌劇座と改称されて以来,「カルメン」「ボエーム」がオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)と金沢市文化創造財団との共催で上演されましたが,今回の「トゥーランドット」公演は,金沢歌劇座・OEK,東京芸術芸劇場・読売日本交響楽団の共同制作で行われました。過去の2公演が金沢だけで閉じていたのに対し,今回は,オーケストラと合唱団以外は,東京公演と共通ということで,より進化した形での文化の発信と言えそうです。

「トゥーランドット」と言えば,2006年のトリノ冬季オリンピックで荒川静香さんが金メダルを取った時の演技で「誰も寝てはならぬ」を使って以来,すっかり有名になりましたが,北陸地方でこの歌劇の全曲が上演されるのは,今回が初めてとのことです。そのこともあり,会場はほぼ満席でした。

公演内容も期待どおりでした。何と言ってもプッチーニの音楽が素晴らしく,3幕それぞれが大きく盛り上がる,”豪華三段重ね中華・和風折衷弁当”といった感じの見ごたえがありました。後でじっくり書きたいと思いますが,白塗りになっていた主役2人の声の力にまず感激しました。「それはないだろう?」という突っ込み所もあったかもしれませんが,満員のお客さんの多くが”初トゥーランドット”を堪能したと思います。

上演スタイルは,「セミステージ形式」というものでした。演奏会形式よりは,通常の上演スタイルに近いのですが,大きな舞台転換はなく,簡素な舞台でした。その分,照明を大変うまく使っていました。オーケストラの方もピットだけではなく,管楽器の一部は通常のステージ上で演奏していました。このセミステージ形式は,今回の茂山千之丞さんの演出とも関係があると思います。図示すると次のような感じになります。



トゥーランドットといえば,豪奢な舞台が注目されることがありますが,それとは逆に,和風の簡素さを目指したものと言えます。恐らく,公演費用の問題もあると思いますが,中途半端にリアリティを追求するよりは,舞台を思い切って簡素化し,あとはその制約条件の中で演出上の工夫をする,という形の方が面白いものになると思います。実際,そのとおりの公演でした。何よりも,この形式だと,オーケストラの音が大変よく聞こえます。

視覚的に見て,いちばん特徴的だったのは合唱団の扱いでした。通常は,ステージ上に散らばってある程度の演技をしますが,今回はステージ上のひな壇に並んで,ほとんど演技はしていませんでした。全員,白い貫頭衣を着ていましたので,どこか宗教的な儀式風の雰囲気もありました。ギリシャ悲劇で言うところのコロス(コーラスの語源ですね)のイメージに近かったと思います。ある時は姫の味方になり,別の時は王子の味方になり...とドラマの進行をスムーズにすると同時に作品全体に「形(カタ)」のようなものを加えていたと思います。バッハの受難曲などでの群衆の扱いとちょっと似ていると思いました。

金沢でのオペラ公演ではすっかりお馴染みとなった金沢カペラ合唱団の皆さんは,各場面ごとに変化に富んだ歌を聞かせてくれました。トゥーランドットは,合唱の出番がとても多い作品ですが,各幕切れ部分を中心にドラマの盛り上がりの核をしっかり作っていました。

全体の構成は,2幕構成になっていました。第1幕が終わった後,25分の休憩がはいり,その後,第2幕,第3幕が続けて演奏されました。今回はセミステージ形式ということで,ステージ上に幕がなかったので,幕切れに照明をパッと落とすことで,幕間の区切りを付けていましたが,舞台の進行がシャープな感じになり,簡素なステージによくマッチしていました。プッチーニの音楽自体,冒頭部分をはじめ,「いきなり」始まりますので,幕なしというのも,悪くないと思いました。

ただし,第1幕が終わり,ステージ上が真っ暗になった瞬間,字幕の電光掲示板の表示だけが残り,「休憩25分」というのだけが出ていたのは,少々興ざめでした。もうひとタイミング置いてから,表示させて欲しいと思いました。今回は,舞台の柱に日本語字幕を表示させる,という大胆な試みをしていましたが,この点だけはもう少し配慮があっても良かったと思います(両脇に字幕がある分には気にならないのですが)。

この字幕ですが,さすがに読みやすかったです。実は,私は,ほとんど読んでいなかったのですが,首を動かさなくても演技も字幕も目に入るので,通常よりも目や首の疲れは少なかったと思います。

演奏の方ですが,大変ダイナミックでした。このオペラは,プッチーニの作品の中でも特に編成が大きく,ハープ2台,銅鑼,シロフォンなど打楽器各種,チェレスタ,オルガン(今回は電子オルガン?),トロンボーン,チンバッソ(バストロンボーンのような楽器。OEK公式サイトに写真入の説明が出ていました)などが通常のOEKの編成に加わっていました。さらに,舞台裏にも別働部隊の10名ほどの管楽器奏者がおり(アルト・サクソフォーンまで参加しています),舞台を知り尽くしたプッチーニの総決算に相応しいサウンドを楽しむことができました。

井上道義さん指揮のOEK+αの演奏は,冒頭から大変ダイナミックな音を聞かせてくれました。基本的にゆったりとしたテンポ設定で,特に金管楽器や打楽器の音が生々しく聞こえてきました。第1幕は,トゥーランドットの冷酷さをアピールする部分ですので,この生々しさが効果的でした。今回は,舞台の簡素さを補うために,全曲に渡り照明が効果的に使われていました。第1幕では,血の色をイメージさせる赤が中心でしたが(パンフレットやチラシの表紙の赤ともシンクロ),その後はドラマの進行に合わせて,非常に細かく,変化が付けられていました。

この「トゥーランドット」というオペラは,タイトル・ロールのヒロインが,第1幕で登場しても歌わない,という非常に珍しい作品なのですが,今回は,この最初の出番でさえも人形で代用する,という大胆な試みをしていました。舞台の上手奥のいちばん高い部分に,等身大の赤い着物を着た人形があり,何かな?と思っていたのですが,これがトゥーランドット姫でした。

第1幕の後半で,姫のテーマである「やーまのお寺の...」風のメロディがダイナミックに出てくると,パッとこの人形にスポットライトが当たるという演出でしたが,不思議な怖さがありました(夜中に電灯を付けたら,いきなり日本人形の姿が浮かんできて,トイレに行けなくなった...というイメージですね)。文字通りトゥーランドットの非人間性をアピールしていたのだと思います。

この姫のテーマですが,クライマックスで「バーン」と出てくる以外にも,随時,児童合唱によっても歌われていました。今回はOEKエンジェルコーラスの皆さんが歌っていましたが,ステージ上を下手から上手に横切ったり,舞台裏で歌ったり...大活躍でした。民謡風の素朴な声は,トゥーランドットの冷酷さと対照的で,そのキャラクターを強く印象付けていました。

第1幕は,その他,脇役も沢山出てきます。まず,ティムールとリューという,”真っ当な人たち”ですが,この2人はお面を付けておらず,大変人間的でした。歌の雰囲気もそのとおりでした。リューを歌っていた小林沙羅さんはほとんど新人と言っても良い歌手ですが,この大役を立派に務めていました。声そのものに,取れたての果物のような瑞々しさがあり,ドロドロとした音楽の中で,新鮮そのものでした。今回,オーケストラがピットの上まで張り出していたので,座席によっては,声がかき消されていたかもしれませんが,「プッチーニ好み=日本人好み」的なキャラクターにぴったりでした。

死刑執行人のプー・ティン・パオは,金沢の演劇界では有名な風李一成さんが演じていました。セリフなしでしたが,そのインパクトは強烈でした。ナギナタのような刀で,ペルシャ王子の首を切るシーンが出てきましたが,黒子を使った作り物っぽい演出は,ちょっと歌舞伎風でした。半身になって仁王象のように立ちつくしている姿も決まっていました。

そして,大臣役のピン,ポン,パンの3人組も,印象的でした。ドラマの展開とは関係ない狂言回しですが,衣装がすごい,というかトンデモナイ感じでした。3人それぞれが,別の色の大きなストライプのポンチョのようなものをかぶり,頭にはマユ玉というかカタツムリの角のようなものをつけ,さらに京劇風(?)の面をつけていました。まさに道化役という感じでしたが,最初はかなり違和感を感じました。

第1幕の後半は,「トゥーランドットに挑戦します」という合図の大銅鑼(上記のトゥーランドット人形を黒子が引っ込めて代わりに銅鑼を置くという手際の良さ!)をカラフが叩こうとするのを3人が邪魔をするという場でしたが,全体に演技が控えめだったので,ちょっと分かりにくかったかもしれません。特にカラフは,白塗りの顔で,しかも,ほとんど演技をしていない感じだったので,歌の熱気と演技とがちょっとアンバランスだった気もしました。

この銅鑼を叩く部分ですが,非常にゆっくりと演奏しており,歌舞伎の見得を音響化したような感じでした。ちょっと不自然なぐらいでしたが,第1幕を見ただけで,異次元空間に入ってしまったような,オペラならではの感覚に浸ることができました。

第2幕は,ピン,ポン,パンの3人による幕間の狂言的な部分で始まります。演出の茂山さん自身,狂言師なので,和風の狂言も見たい気もしましたが,この場を通じて,奇妙な3人の衣装にも目が慣れて(?)きました。この部分では,殺伐とした現実から逃避して,故郷を懐かしむような歌がありましたが,それに合わせて背景の照明が緑色に変わるのが,音楽の雰囲気にもぴったりでした。

第1幕では,この3人の歌の個性があまり分からなかったのですが,この場ではそれぞれに味のある歌を聞かせてくれていることが分かりました。特にポン役の与儀巧さんは,大変良く通る声で素晴らしいと思いました(与儀さんは,過去,石川県立音楽堂邦楽ホールで上演された「オルフェオ」などにも登場されていたことがある方で,その他にも何回か金沢に来られています。)。若手テノールの実力者ということで,そのうちにカラフ役でも行けるかも?と思いました。

さて,第2幕の第2場ですが,トゥーランドットが登場する前に,その父親である皇帝アルトゥムが登場します。オペラの中での皇帝役といえば,低音歌手が歌うという印象がありますが,このトゥーランドットではちょっと頼りなさげなテノールが歌うことになっています。その意表を突くアイデアもプッチーニならではです。この役柄は,ベテランのテノール歌手が歌うことが多いのですが,今回の鈴木寛一さんも実に味のある歌を聞かせてくれました。登場の時,安っぽいくす玉(?)と共に登場しましたが,外見の方も...ちょっと志村けんのバカ殿風だったかもしれません(失礼しました)。

そして,いよいよ,トゥーランドット(人形ではなく本物です)が登場します。ここまで,焦らすというのも演出の1つだったのかもしれません。児童合唱の歌うテーマに乗って,ツヴェトコヴァさんは,サラリと登場しました。当然ですが,第1幕の舞台上に出てきた人形と全く同じ衣装と化粧でした。遠くから見ていたので,表情ははっきり見えなかったのですが,かなり強烈な白塗りだったので...デーモン小暮閣下風だったかもしれません(再三,失礼しました)。

続いて,あいさつ代わりに「この宮殿で」というアリアを歌います。非常に立派な声でしたが,ちょっとテンポが揺らいでいる感じがして,落ち着かない部分がありました。ただし,大編成のオーケストラを突き抜けて聞こえる声の強さは素晴らしく,曲が進むにつれて,どんどん威厳を増していくような迫力のある歌を聞かせてくれました。

その後,カラフとの間の問答になります。この部分では,問題を出すたびに舞台裏からファンファーレが聞こえて来るのですが,現在のテレビのクイズ番組などの効果音の元祖がここにあるのかなと思って聞いていました。遠くから聞こえてくる感じが,スケール感をさらに大きくしていました。

1問解くたびにトゥーランドットが階段を下りてきて,音楽の激しさも増してくるのですが,ここではOEKの音の生々しさも魅力的でした。カラフ,トゥーランドット,オーケストラが一体になったバトルは,この作品に最大の見せ場だったと思います。3問とも解いてしまった後,大合唱で「夕焼け小焼け」のテーマを歌うのですが,分かっていてもこういうのは嬉しくなりますね。見ているお客さんの方も,群衆の一員になったような気になったのではないかと思います。

その後,今度はカラフの方から「私の名前がわかるか?」と逆に質問を出します。この部分で,「誰も寝てはならぬ」の一節がさらりと流れる辺りも心憎い限りです。その後,皇帝万歳という感じで盛り上がった後,暗転しますが,ここでは休憩は入らず,そのまま第3幕になりました。第2幕全体で1時間以上あったので,通常ならば休みが入っても良さそうなものですが,感覚的には,「あっと言う間」でしたので,全く疲労感はありませんでした。興奮の余韻を残したまま第3幕に突入という形で「ノー・プロブレム」でした。

さて,第3幕ですが,まずはお待ちかねの「誰も寝てはならぬ」が出てきます。この部分は,深夜ということで,ステージ全体が青白い照明に照らされていました。この青色がかなり蛍光色っぽい感じだったので,非常にミステリアスでした。

ステージ上から人がいなくなった後,バディアさんが登場し,「ネッスン・ドルマ〜」と歌い始めました。この言葉は意味は分からなくても,既にかなり多くの日本人の耳には馴染んでいるのではないかと思います。非常にたっぷりとしたテンポで丁寧に歌われており,「いちばんのお待ちかね」の部分をじっくりと聞かせてくれました。強い声だけれども,すっきりとしており,若々しさとスマートさを感じさせてくれる歌でした。最後の盛り上がりの部分で出てくる最高音も見事に聞かせてくれ,盛大な拍手が巻き起こりました。「誰も寝てはならぬ」は,オペラ中で歌われる場合,エンディング部分が終結せず,そのまま次の音楽に流れていくので,拍手を入れるのは変なのですが,「ここは当然拍手だろ?」という感じで,普通に音楽の上に拍手が重なっていました。

続いて,カラフの名前を探ろうとティムールやリューを詮議する場面となりますが,ここでのリューの歌もまた聞き物でした(こうやって書くと聞き所の連続ですが)。小林さんは歌い終わった後,兵士の短剣を奪って,自害するのですが,この瞬間,合唱が「あぁ」という感じで声を入れます。こういう細かい描写が本当にプッチーニの音楽の巧いところで,作り話と分かっていながら,リアルに「あぁ」と思ってしまいました。小林さんの声に純粋な素直さがあったのでさらに哀れさが増し,カラフに対する思いの強さも強く印象付けられました。

その後,カラフやティムールがリューに別れの言葉を語る部分が続くのですが,この辺の描き方も丁寧で,プッチーニ自身,リューの方に共感しているのではないか,と思わせるぐらいでした。特にティムール役のジョン・ハオさんの歌には,父親的な優しさがあふれており,感動をさらに深いものにしていました。プッチーニは,ここまで書いて亡くなっているのですが,今回のプログラムに書いてあったとおり,その後,どう書いて良いか困ったのかもしれません。

この部分の後は,プッチーニの弟子のアルファーノが補作した部分になります。

まず,トゥーランドットとカラフによる迫力のある二重唱があり,口づけをした瞬間,トゥーランドットの衣装が赤から白に変わるという演出がありました。歌舞伎の早変わりを思わせるケレン味は,非常に分かりやすいものでした。この幕では,ステージの両脇に「愛」「死」という文字が出ていたのですが,この後は「死」の方が「愛」に変わり(つまり左右とも「愛」になりました),リューの「死」が「愛」として甦ったという形になります。

この展開は,おとぎ話としては「その後,2人は仲良く暮らしました。めでたし,めでたし」ということで良いのですが,リューが絡んでくると,こんなに単純で良いのかな,という気がしないでもありません。その辺が,プッチーニが最後までこの作品を完成できなかった理由なのかもしれません。

アルファーノの補作では,口づけの後,トゥーランドットが「初めて泣く」という歌が続きますが,この部分など,ちょっと長いかな,という気がしました。それと,この部分でトゥーランドットのオーラが一気になくなり,何となく,トゥーランドットとリューが折衷されてしまった気がしました。カラフは,プライドの高いトゥーランドットに惹かれていたのでは?などと思って聞いているうちに,音楽の方は,クライマックスに進んでいきました。

ここで「誰も寝てはならぬ」のあのテーマが大合唱になって大きく盛り上がって出てくると,「これで良いのだ,納得」という感じになりました。リューは死んだけれども,それはトゥーランドットのカラフへの愛として生きているのだ...などと考えているうちに,何と,死んだはずのリューがステージに戻ってきていました。首を切られたはずのペルシャ王子も自分の首(?)を持ってステージ奥に出てきたり,カーテンコールを先取りするような,大団円といったムードになり,照明が一気に明るさを増して,全曲が終わりました。

この辺は賛否両論あるかもしれませんが,演出の茂山さんは,プログラムに書いていたとおり,ドラマの「形」のようなものを重視されていたのだと思います。他の幕でも,あまりリアルな演技を求めず,形を重視していたので,全員が再登場して「愛が勝つ」で終わるのも清々しくて良いな,と思いました。

終演後は,これまで曲の途中で拍手できなかった分も含め,盛大な拍手が長く続きました。出演者全員に「大成功!」を確信させるような拍手だったと思います。

今回の公演は,金沢だけでなく東京でも行うという点を含め,井上道義さんがいたからこそ実現した企画だと思います。ラ・フォル・ジュルネ金沢(LFJK)の誘致に続き,井上さんの熱意と実行力に感謝したいと思います。LFJK同様,地元のボランティア的なサポートを生かしている点も頼もしい限りです。この盛大な拍手を聞きながら,今回のような簡素だけれどもセンスの良いステージならば,ほとんどどういうオペラでも対応可能ではないかと感じました。是非,今後もこのパターンで「北陸初演」のオペラを取り上げていって欲しいと思います。

PS.「誰も寝てはならぬ」の後,ピン,ポン,パンが登場し,あれこれカラフを誘惑する場面があったのですが,この部分はドキリとしました。リブレットには,「王子の方に半裸の女性を押しやる」と書いてあるのですが,かなりこれに忠実な感じでした。今回は,オペラ・グラスを持っていかなかったのでじっくり(?)確認できなかったのですが,この部分だけリアルにすることも無かったかもしれません。
(2009/07/19)

関連写真集

21世紀美術館


金沢歌劇座の外観。制服を着た学生の姿も目立ちました。


歌劇座の前の縦型の大看板です。


公演のポスターです。


公演時間についての掲示


プログラムとチケットです。コンパクトなサイズのプログラムはとても良かったのですが,ストーリーのあらすじぐらいは書いてあっても良かったかもしれません。



開演まで時間があったので,お隣の金沢21世紀美術館に寄ってきました。

3連休初日&高速道路1000円効果もあるのか,大変多くのお客さんが入っていました。


「愛についての100の質問」という展覧会をやっていました。


ここに書いてあるとおり,7月20日までです(右側の展示室だけだと思います)。


この展覧会の中に作曲家の一柳慧の作品もありました。ただの卓球台ですが,この台の上で,ピンポンをすると,文字通り,ピンポンパンと変った音が出ます(トゥーランドットとつながった!)。それを中継している無料ゾーンにあるモニターです。


これが作品名です。


この日は,この関連で,メシアンの「鳥のカタログ」全曲を卓球台のまわりなどで演奏する,という面白いイベントをやっていました。延々7時間もやっていたようです。

私もちょっとだけ聞いてきましたが,残響音が多く,不思議に気持ちの良い世界でした。

19日はジョン・ケージの作品を展示室で演奏するという企画が行われたようです。こちらの方はヨガとのコラボです。

というわけで,金沢21世紀美術館も相変わらず面白いことをやっているようです。



最後におまけです。

我が家にある「愛」です。何故か「天地人」記念の手ぬぐいがありました。