ラ・フォル・ジュルネ金沢 「熱狂の日」音楽祭2009:モーツァルトと仲間たち
【112】小曽根真,オーヴェルニュ室内管弦楽団
2009/05/02 11:45- 石川県立音楽堂コンサートホール |
1)モーツァルト/ディヴェルティメントニ長調K.136
2)モーツァルト/ピアノ協奏曲第9番変ホ長調K.271「ジュノム」
●演奏
小曽根真(ピアノ*2),アリ・ヴァン・ベーク指揮オーヴェルニュ室内管弦楽団
- 小曽根真さんが音楽堂に登場するのは,昨年のOEK定期公演ファンタジーシリーズ以来
- オーヴェルニュ室内管弦楽団が,金沢で公演を行うのは,今回が初めて。私自身,初めて聞くオーケストラ。弦楽器の編成は,6−5−4−3−2 でOEKを一回り小さくしたぐらいの人数。
■ディヴェルティメントニ長調K.136
- すっきり系の音を持つ,これぞ室内オーケストラという響き。弦楽器の音が空気のように軽い。音圧が小さく,音の線が細くて繊細。
- 指揮者のアリ・ヴァン・ベークさんのコントロールがしっかり効いており,どの部分をとっても,緻密。各奏者の音の精度も高く,ぴたりと揃っている。全体に早目のテンポで,自然ですっきりとした音楽の流れを作っている。
- 古楽奏法を意識しており,バロック音楽を聞くような感じがするが,過激な感じはなく,あくまでもスタイリッシュ。音のアクセントも不必要に乱暴にならない。
- OEKも何回も演奏している作品だが,非常に新鮮に感じた。
■ピアノ協奏曲第9番変ホ長調K.271「ジュノム」
- 1曲目に木管楽器と独奏ピアノの小曽根さんが加わった編成
- 小曽根さんのピアノは比較的まじめ(?)に開始。オーケストラも前曲同様抑制した感じだったが,木管楽器が音色に温かみを加える。第1楽章のカデンツァあたりから小曽根さんは自由にアドリブを聞かせ始める。
- 小曽根さんがオーケストラが同じフレーズのが掛け合いをする度にフレーズが変わっていくのが面白い。お互いにちょっかいを出しあったかと思えば,仲良く対話をしていたり...といった多彩なやりとり。
- 第2楽章は暗い曲想。ピアノの音が光のように差し込んでくる。カデンツァは印象派風。品の良い脱線という感じ。
- 軽快なテンポの第3楽章は,この演奏の白眉。オーケストラとピアノの掛け合いや曲全体のノリの良さが最高。カデンツァが,ラプソディ・イン・ブルーのような感じになるのも面白い。
■備考
- 金沢市アートホールで行われていた一つ前の公演(131)の公演時間が延びたため,移動時間ギリギリだったが,開始時刻を少し待ってくれていた。その後の公演についても同様で,スケジュールが混乱しない範囲で融通を利かせていました。大変助かりました。
- アートホールからでも5分あれば何とかなると実感。LFJK終盤では,15分ぐらい時間があれば余裕を感じるようになった。この辺の時間感覚は,「LFJ感覚」と言えるかも。
- 子どもが入ることについて,あらかじめ了承してもらうためのアナウンスを毎回のように行っていました。
(2009/05/06)
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