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ラ・フォル・ジュルネ金沢 「熱狂の日」音楽祭2009:モーツァルトと仲間たち
【123】サンヤ・ビジャーク
2009/05/02 14:45- 石川県立音楽堂邦楽ホール
モーツァルト/ピアノ・ソナタ第2番ヘ長調K.280
モーツァルト/アダージョロ短調K.540
モーツァルト/ピアノ・ソナタ第14番ハ短調K.457
●演奏
サンヤ・ビジャーク(ピアノ)

Review by 管理人hs
  • ヒジャークさんという名前のピアニストは2人出演しているが,ここで登場したのは,妹さんのサンヤさんの方。
  • 金沢で公演を行うのは,初めてと思われるが,ナントでのラ・フォル・ジュルネには参加しており,ルネ・マルタンさんの信頼の厚い,若手ピアニスト
  • 短調の作品にポイントを置いた選曲。LFJKの公式CDにも短調の曲が多く選ばれているが,ルネ・マルタンさんは,特に短調系の作品が特にお好みなのかもしれません。

■ピアノ・ソナタ第2番ヘ長調K.280
  • 明快な第1楽章の後,静かなモノローグのような短調の第2楽章へ
  • 全曲を通じて,深刻な思い入れはなく,のびのびと演奏している感じ。曲の表情を率直に表現している
  • 第3楽章はキラキラと弾むようで魅力的

■アダージョロ短調K.540
  • 葬送行進曲のような気分のある曲
  • 前曲の第2楽章と呼応するようなムードがあり,雰囲気に統一感がある。
  • ここでも曲をゆがめずにシンプルな音の美しさを聞かせる。

■ピアノ・ソナタ第14番ハ短調K.457
  • ベートーヴェンを思わせるハ短調作品(ベートーヴェンが影響を受けたいう方が正しい?)。K.475の幻想曲と組み合わせて演奏されることも多い。
  • 音に濁りがなく,美しさの中から悲しみがすっと浮き上がるよう。
  • 第2楽章も感情移入が深すぎないので,曲の形が見えるよう。第3楽章も瑞々しい。
  • ちょっと率直過ぎるかな?もう少し個性的でも面白いかな?という印象もあったが,若手演奏家らしい,伸びやかさが気持ちの良い演奏

■備考
  • ヒジャーク姉妹のデュオ公演も別の日に行われたが,聞けませんでした。
  • この公演には,いくらか空席があった。LFJKの前半については,ちょっと様子見的な感じがあったかもしれない。同じ時間帯で行われていたアートホールでの公演とも競合してたことも影響したかもしれない。

(2009/05/06)