OEKfan > 演奏会レビュー

LFJk2009 熱狂のレビュー・トップページ
ラ・フォル・ジュルネ金沢 「熱狂の日」音楽祭2009:モーツァルトと仲間たち
【124】ジェラール・コセ,モジリアーニ弦楽四重奏団
2009/05/02 17:00- 石川県立音楽堂邦楽ホール
バッハ,J.S.(モーツァルト編曲)/フーガK.405
モーツァルト/弦楽五重奏曲第5番ニ長調K.593
●演奏
モディリアーニ弦楽四重奏団(フィリップ・ベルナール,ロイック・リョー(ヴァイオリン),ローラン・マルフェング(ヴィオラ),フランソワ・キエフェル(チェロ)),ジェラール・コセ(ヴィオラ*2)

Review by 管理人hs
  • 私自身,初めて聞く弦楽四重奏団です(そもそも,金沢だと専門の弦楽四重奏団を聞く機会は滅多にないのですが...)。
  • 2003年にパリ国立音楽院在学中のフィリップ・ベルナール,ロイック・リョー(以上ヴァイオリン),ローラン・マルフェング(ヴィオラ),フランソワ・キエフェル(チェロ)によって結成された団体。
  • この4人にフランスを代表するヴィオラ奏者,ジェラール・コセさんが参加した弦楽五重奏曲を中心とした公演。

■バッハ,J.S.(モーツァルト編曲)/フーガK.405
  • まず,モディリアーニ弦楽四重奏団の音の緻密さに感動(この団体による,弦楽四重奏曲の公演もあったが,聞けなかったのが残念)。
  • 金沢と同時期に国内で行われているラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンの今年のテーマが「バッハとヨーロッパ」なので,そのどちらにも使えそうな曲
  • この団体の持つ,各声部を通じて統一された音の統一感の素晴らしさが実感できる演奏
  • 全体に暗いトーンに包まれ,本格的なフーガを聴いた印象。
  • ただし,やっぱりバッハは,モーツァルトに比べるととっつきにくいですね。

■弦楽五重奏曲第5番ニ長調K.593
  • 第1楽章,チェロが独り言を言うように始まった後,その後もじっくりと対話するように曲は進む。甘く歌いすぎる部分はなく,渋さを感じさせる演奏。
  • コセさんが加わった内声部の響きが特に充実。個々楽器の音が非常に緻密でありながら,重層的に重なりあった聞き応えのある響きを聞かせる。
  • 第1ヴァイオリンとチェロの外声部もしっかりとメロディを聞かせてくれており,全体的に緻密かつシンフォニック
  • 第2楽章は,夜のムード。音の重なり方が非常に美しい。
  • 第4楽章は,ロッシーニの音楽を思い出させるような,無窮動風の曲。同じフレーズが何回も出てきたるが,特に第1ヴァイオリンの緻密さが素晴らしく,繰り返しの中から迫力が出てきていた。最後の部分など,アンサンブル全体としての凄みが伝わって来るような素晴らしい演奏
(2009/05/06)