ラ・フォル・ジュルネ金沢 「熱狂の日」音楽祭2009:モーツァルトと仲間たち
【213】ポール・メイエ,シンフォニア・ヴァルソヴィア
2009/05/03 15:15- 石川県立音楽堂コンサートホール |
モーツァルト/歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」序曲
モーツァルト/交響曲第40番ト短調,K.550
●演奏
ポール・メイエ指揮シンフォニア・ヴァルソヴィア
- 1日目はクラリネット奏者として登場した,ポール・メイエさんが,2日目指揮者として登場。会場は,満席。メイエさんの人気を実感。
- オーケストラはOEKではなく,ポーランドの室内オーケストラ,シンフォニア・ヴァルソヴィア。ポーランド室内交響楽団を母体として1984年に設立された団体で,LFJの常連(LFJK公式CDでも井上道義さんが指揮した演奏などが収録されています)。
- 編成は,OEKと全く同じ。1日目に登場した,オーベルニュ室内管弦楽団とは違い古楽器風の演奏ではなく,弦楽器の配置も対向ではなかった。
- 何とフルートのトップの席には工藤重典さんが座っていました。メイエさんのつながりだと思いますが,音楽祭ならではお楽しみといったところ。
■歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」序曲
- シンフォニア・ヴァルソヴィアの音には力感があり,重みを感じた。木管楽器の音などは,あまり洗練された感じはなく,もっと鄙びたような感じ。その一方,やはり,そう思って聞くからか工藤さんのフルートの音が美しくクローズアップされて聞こえてきた。
- 序曲の演奏は,生き生きしたテンポ感があったが,全体にもう少し引き締まった感じが欲しいと思った。
■モーツァルト/交響曲第40番ト短調,K.550
- 他のソナタ形式の曲の演奏同様,各楽章ともに繰り返しを全部行っていたが,この点は,今回のLFJKの暗黙のルールなのかもしれない。45分という演奏時間枠があるので,それを最大限生かして欲しいという意図とも考えられる。
- この曲には,2つの版があるが,今回は,フルート,オーボエ,クラリネット入りの版で演奏。
- 第1楽章からかなり速いテンポ。キビキビした感じが印象的だったが,どこか一本調子で単調な気がした。弦楽器もキリキリ絞り上げられているような感じで,あまり優雅な感じはしなかった。
- その他の楽章も一貫して速目のテンポ。第2楽章は淡々としていたが,第3楽章から第4楽章に掛けては,優雅さよりはちょっとワイルドなキビキビ感が聞き所。ホルンなどを強奏させる部分もあったが,全体的には,どこも「ワンツー,ワンツー...」という感じでちょっと単調に感じた。
- メイエさんについては,やはり指揮者としてよりもクラリネット奏者として方が良いと思った。
■備考
- OEKは,従来からクレメラータ・バルティカとのつながりも強いが,今回のLFJKをきっかけに,こういった各国の室内管弦楽団との連携を強めていったら面白いのではないかと思う。
(2009/05/09)
|
|
|
 |
|
|